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2012-01-23(Mon)

米国から逃げ出し始めた中国人 ニューヨークのチャイナタウンが消滅の危機に

 年が明けてからニューヨークに住む知人から年賀メールが届いた。報道の仕事に携わっている知人は、時々興味深い情報を送ってくれる。

 「ニューヨークのチャイナタウンが将来、なくなるかもしれない」

人口が9%も減少したNYのチャイナタウン

 思わず「そんなことはないだろう」と呟いてしまった。それほど意外な内容である。しかし、いつも冷徹に事実を追求する米国人記者なので、思いつきで記しているわけではなさそうだった。

 2010年の国勢調査によると、確かにニューヨークのチャイナタウンの人口は9%も減少していた。これまで増加し続けてきた米国内の中国人の人口がようやくピークに達したとの見方もある。

 少し調べると、ニューヨークだけの現象ではなかった。サンフランシスコでも中国人の人口は少しずつ減っていた。

 米国には今でも160万を超す中国人(中国系アメリカも含む)が住んでいる。言うまでもなく、移民の国としての米国はいまでも多くの移民を受け入れている。しかも中国は過去10年ほど、急激な経済成長を背景に、米国へも多くの人を送り込んでいるかに思える。

 留学生も増えている。統計を見ると、2010年9月からの1年間で、米国に最も留学生を送り込んでいるのが中国だった。前年比で21%増の15万8000人。2番目がインド人の10万4000人。3位が韓国で7万3000人。

増える留学生と裏腹に米国移民は減少

 日本人留学生は、すでに多方面で報道されている通り減少の一途で、今や7位の2万1000人。前年比で14%も減っている。

 こうした背景を考えると、チャイナタウンはなくなるどころか、さらなる活気が期待されるかに思えたが、実情は違った。

 留学生や米国企業との事業展開のために中国から渡米する人は多いが、「アメリカンドリーム」を抱いて米国に移民する中国人は減っていた。

 冒頭の友人は最近ニューヨークのチャイナタウンで、移民目的で渡米して間もない中国人と話をしたという。

NYより中国の方が快適な生活ができる

 「中国にいた時の方が家が広かった。ここ(ニューヨーク)より生活は快適でした。ニューヨークのチャイナタウンは汚いし、まともな仕事はない。レストランでウエイターをするためにアメリカに来たわけではない」

 移民の多くは英語が堪能でないため、米国に来るとまずチャイナタウンで生活の基盤をつくることが多い。それが伝統的なサバイバル術だった。

 ところが中国国内での生活の質が向上したことで、米国のチャイナタウンの生活が快適であるとは限らなくなった。中には移住してきたにもかかわらず、本国へ戻る人たちも出始めている。彼らはそうした帰国者を「ウミガメ」と呼ぶ。生まれた場所に必ず戻るという意味だ。

 首都ワシントンにある移民政策研究所によると、中国人留学生の人口は増加傾向にあるものの、米国への中国人移民は過去5年、減り続けていた。2006年が約8万7000人で、2010年は約7万である。特に労働者階層の減少が目立つ。

 前述したように、労働者として渡米すると、ほとんどの中国人はチャイナタウンでまず足場を築く。だがチャイナタウンがもはや「夢の社会」ではない。

優秀な学生を呼び戻す中国政府

 アメリカンドリームは今でもあるが、中国に留まった方が金銭的な成功は近いかもしれないとの思いが中国人に広がっている。その情報はすぐに本国の移民希望者に伝わる。

 実は、中国人留学生にもそうした考え方が流布し始めている。学位を取得した後、米国に残って仕事をする留学生もいるが、中国政府が優秀な学生を呼び戻すために、今必死で諸策を講じている。

 帰国組には現金を支給し、住宅手当をあてがい、税控除まで用意する。それでも米国の生活を選択する人はいる。だが、今では興隆を極める中国経済の波に乗った方が得策と考える中国人が増えている。

 つまり「アメリカよりも中国」という行動規範の末端現象として、チャイナタウンの人口減少とつながるようになってきたのだ。

 米国のチャイナタウンに訪れたことのある方はお気づきだろうが、一般的に猥雑で混沌としている。町並みは20年前の香港のようで、現在の北京の中心部の風景とは雲泥の差がある。そのため「なぜ貧乏時代の中国に逆戻りしなくてはいけないのか」といった思いにとらわれる。

故郷に錦を飾りたい中国人

 中国人移民の波は19世紀半ばにカリフォルニア州で起きたゴールドラッシュにまで遡れる。当時、多くの中国人が労働者として働き、約2万5000人が同州に残った。

 その時代から今に至るまで、多くの中国人は米国で一旗揚げて、故郷に錦を飾るという考え方を心に宿してきた。財を成していずれは中国に戻ることが本来あるべき姿との思いだ。

 故郷に錦を飾るとの思いは日本人と同じに思えるが、ことわざ自体が司馬遷の史記から派生しているため、共有できるところがある。

 米国のチャイナタウンについて詳しいライターのボニー・ツイ氏も自署の中で書いている。

 「アメリカの景気が悪化し、中国経済が活況を極めれば、わざわざ英語圏の国にいる必要はなくなります。中国本土の景気がよければ、チャイナタウンの存在は消失してしまうこともあるでしょう」

新しく生まれ変わったワシントンのチャイナタウン

 チャイナタウンから中国人が減っているのは、経済的理由以外にもある。米国の中国系億万長者の半数は、いずれは本国に戻りたいとの思いを抱くが、単に故郷に錦を飾るという自己願望の実現だけなのではない。

 中国こそが世界一の国家であり、さらなる発展を継続させるために帰国すべしとの思いが強い。それは米国を抜いて中国を最強国にするとの愛国精神である。今の日本人に希薄な思想だ。

 もちろん米国から中国人がいなくなるということはないだろう。だが、昔ながらのチャイナタウンが姿を消し、新しい都市に変容することは十分にある。

 すでに首都ワシントンのチャイナタウンは中国人が減り、都市開発された別次元のチャイナタウンへと変わっている。変化の波は誰にも止められないということである。

(JB Press   海外)
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