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2012-01-19(Thu)

メタンハイドレートもオイルサンドも問題だらけ 石油の起源で知る中東に石油資源が集中している理由

 核開発をめぐり西欧との対立が続くイラン。IAEA(国際原子力機関)査察団を今月中にも受け入れる姿勢を見せる一方で、1700万バレルもの石油が毎日通り抜けていく世界最大の油田地帯への出入口、ホルムズ海峡を封鎖するとの警告を発し、エネルギー市場に不安を与えている。

ホルムズ海峡の由来はゾロアスター教

 このホルムズ海峡という名。人の名前から取られたものと思いきや、実は、ゾロアスター教の神の名前から取られたもの。

 冒頭、バクー(アゼルバイジャン)の荒涼たる油田をジェームズ・ボンドが走りぬけるシーンから始まる『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』(1999)にも登場していた寺院で燃え盛る炎のような「永遠の炎」を崇拝することから「拝火教」とも呼ばれるゾロアスター教は、かつてペルシャの国教だったものである。

 もちろん、炎のエネルギー源は天然ガスや石油。古くからこのあたりは化石燃料ゆかりの地だったのである。

 しかし、どうして中東にばかり石油が埋蔵されているのだろうか。その理由を知るには、石油そのものの起源を探ることが一番の近道のようだ。

 そこでまず、時を1億6000万年前、中生代ジュラ紀中頃まで遡ってみよう。

二酸化炭素が現在の4~5倍あった時代

 活発な地殻変動や火山活動のため、大気には現在の4~5倍もの二酸化炭素が漂っている。そうなると温室効果はかなりなものだ。海水温は上昇し、大量に蒸発した水分は強烈な酸性雨となって大地に打ちつけている。

 濁流となった河は地面をえぐり、大地の栄養分が運び込まれた海にはバクテリアや植物プランクトンが繁殖し海面を覆っている。

 通常、そんな海洋生物たちは死後海底へ落下していく過程で、さらなる深海で生活する生物に摂取されるものだが、酸素が現代よりずっと少ない海底には生物が存在していないため、そのまま堆積物となってしまっている。

 海水は500年から1000年のサイクルで深く沈み込み、深海に酸素供給を行っているのだが、それには沈み込みの場である南極北極に冷水があることが必須。海水温上昇のため氷もなくなった状況では、海底への酸素供給もままならないのである。

 この「海洋無酸素事変」と呼ばれる状況は、光合成による二酸化炭素の吸収と多量の炭素が地中や海底に固定されていくうちに、ある時いきなり正常化へと舵を取り直す。

 こうしたことは、ジュラ紀に1度、そしてそれに続く白亜紀に2度、大規模なものがあったようだが小規模なものについては数万年から数百万年単位周期で繰り返されているらしい。

 そんな経緯でできた堆積物が適正温度と圧力の下、ゆっくり熟成されたものが石油である。ただし、貯留場所などさらなる環境条件を満したものだけが石油となるのだが、偶然にもその条件をクリアしていたのが当時存在していた大海、テチス海だった。

 その後の地殻変動でそんな海はなくなってしまったが、名残とも言えるカスピ海や黒海には広大な油田が拡がっている。そして、海から荒涼たる砂漠地帯へと姿を変えたアラブ地域一帯にも豊富な石油資源が眠っているのだ。

「なりそこね資源」に注目集まる

 それでは、条件に恵まれず石油になれなかったものはどうなったのかと言うと、深く入り込み高温にさらされたものは天然ガスとして貴重な資源となる一方で、石油にも天然ガスにもなり損ねたものは堆積岩に紛れたまま長いこと放置されてきた。

 ところが、石油や天然ガスの埋蔵量に限界が見え始め、一大供給地の中東と主要消費地の西欧との仲がしっくりいかない現実もあって、このところ、そんな「なりそこね資源」にも目が向けられるようになっている。

 それが、オイルサンドとオイルシェール。

 これらのものまで含めると、サウジアラビアに次ぐ「産油国」はカナダとなるようだから、中東に偏っているエネルギー資源勢力図も書き換えなければならないのかもしれない。

 中でも埋蔵量が多いのがアルバータ州で、カルガリー、エドモントンといった大都市周辺にも豊富なエネルギー源が眠っている。

 しかし、実際に資源として活用するとなると、砂岩(サンド)や頁岩(シェール)に混在する原油成分を取り出す際の効率が悪く、その過程で排出される二酸化炭素量が原油に比べても3倍とのデータもあるから、環境への負担も大きい。

 今や最も有名なカナダ人とも言えるジェームズ・キャメロン監督が大ヒット映画『アバター』(2009)での資源採掘に伴う環境破壊というプロットの着想を得たのが、母国におけるオイルサンドの環境汚染論争だったというから、カナダでも賛否両論の大問題となっているようだ。

 そんなアルバータ州には、もう1つ、世の人々を魅了するものが埋没している。石油のもとになった生物たちが生きていた頃、地球の覇権を握っていた恐竜たちの化石である。

 世界遺産にも登録されている州立恐竜公園の荒涼とした風景は、恐竜の化石が見つかるにふさわしい場所とも言えるが、この公園の最初の管理人はアマチュア化石収集家が務めていたという。

世界で初めて完全な形の恐竜化石を発見した女の子

 そう言えば、初めて完全な形の恐竜化石を見つけたのも英国南部に暮らすアマチュアだった。いや、観光客相手に化石を売って生計を立てていたのだから、ある意味プロではあった。その人物はメアリー・アニングなる12歳の女の子。

 その後も重大な発見となる化石を幾度となく見つけ出したメアリーの人生は、ジョン・ファウルズのベストセラー小説『フランス軍中尉の女』のモデルともなったが、そのゆかりの地でロケされた映画化作品に古生物学的描写が少ないのが残念である。

 そのメアリーが化石を探していた地「ジュラシック・コースト」には、恐竜の化石ばかりか「燃える頁岩」も豊富に存在している。そこから北海へとたどっていけば、英国やノルウェーの大切な財産、北海油田へと到達するのだから、それも当然のことと言えよう。

 そんな恐竜が突然絶滅したのが、6500万年前のこと。

 原因には諸説あるが、実写とCGが見事に融合したディズニーアニメ『ダイナソー』(2000)にも描かれている通り、メキシコ、ユカタン半島への隕石落下が直接の引き金となり、太陽光が長い間遮られるなど、急激に進んだ環境変化に対応できなかったためというものが有力である。

 多くの生物が死滅し石油の材料となってしまった苛酷な世界でも1億5000万年もの間、覇権を握ってこられた巨漢の最期としてはあまりにあっけない気もするが、その巨体ゆえの順応性の低さが原因の1つとして挙げられている。

 恐竜という存在感のあるものが絶滅したために、生物絶滅というと、この6500万年前のものが語られることがほとんどだが、地球上での大量絶滅はこの時が初めてというわけではない。大きなものだけでも5回あったのである。

 中でも壮絶だったのが、95%もの生物が死滅したと言われる2億5000万年前のもの。

 その原因にも多くの説が唱えられているのだが、特に気になるのがこのところ新たなるエネルギー源として注目を浴びているメタンハイドレートが悪役となっているものである。

 「燃える氷」とも呼ばれるメタンハイドレートは、数度の水温上昇があれば崩壊し、海底から水中へと溶け出してしまう。

 そして、大気へと吐き出されてしまえば、二酸化炭素の20倍はあるという強力な温室効果で大気の温度は上がり、そのためまた水温が上昇・・・という悪循環に陥ったためだというのである。そんなことを聞けば、次世代エネルギーなどとはやし立てる気など失せてしまう。

 6500万年前、恐竜が絶滅したことで、結果的に哺乳類の天下となった地球で我々人類は、今、覇権を握っている(と思っている)。そして、その恐竜を絶滅させた隕石が衝突した地で栄えたマヤ文明のカレンダーが今年12月21~23日あたりで終わるという。

 そこから始まった人類終末説はハリウッド映画『2012』(2009)で世界中に知られるようになったが、グアテマラのマヤの末裔に聞いてみても、(当たり前のことだが)そんなこと、かけらも考えていない。

「第6の絶滅」へ向かいつつある地球

 しかし、そんな終末説もあり得るように思えるほど、ここ数年、世界に降りかかかっている災禍は酷いものだ。実は、地球はもうすでに第6の絶滅へと向かっていると警告している科学者は少なくないのである。

 太古の地球を暖め多くの生物を死滅へと追いやった悪役でもあった炭素は、石油や天然ガスという形で地中に閉じ込められ、地球はしばらくの間、平穏を取り戻していた。

 ところが、我々人類は、それを自然では成し得ないほどのスピードで、大気へと吐き出し続けているのである。

 これまで利用されていなかったメタンハイドレートやオイルサンド、オイルシェールといったものまで使うとなれば、海洋無酸素事変への道程はそう遠くないのかもしれない。

 そして、深海の堆積物となった人類が数千万年後(?)の地球覇権生物の便利なエネルギー源として重宝される時がやって来るのだろう。

 過去に繰り返されてきたことだけに、人類がその流れを止める可能性はあまり高くなさそうだが、少しでもオッズを上げるには、人知を結集した科学の力が必要不可欠。くだらない権力闘争のために時間を割いているほどの余裕が人類にあるのだろうか・・・。

(JB Press   ライフ)
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