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2011-10-06(Thu)

ウォンと株価の急落に身構える韓国 通貨・経済危機の再来か? 2008年とは違うと言うけれど・・・

 2011年10月4日。韓国の連休明けの証券・外国為替市場は大荒れの幕開けとなった。取引開始直後に総合株価指数が5%急落し、今年4回目の一時取引停止になった。

 ウォンの対ドルレートも急落した。韓国メディアが先週まで「マジノ線」と評していた1ドル=1200ウォンの水準をあっさり割り込んだ。1ドル=1200ウォンよりもウォン安になったのは、2010年7月末以来のことだ。

 韓国では、2008年のリーマン・ショック直後にも、ウォンや株価の暴落が起きており、「今回もまたか」という懸念が強まっている。一方で、韓国政府は「2008年とは状況がまったく異なる」と危機説の打ち消しに必死だ。経済界でも「通貨危機など起こらない」という声がまだ大勢だが、気になる兆候もあちこちで見え始めた。

危機説を打ち消す大統領演説の翌日に市場が急落

 10月4日のマーケットの動向は、李明博(イ・ミョンバク)大統領にとって何とも皮肉な展開となってしまった。前日は韓国の神話に基ずく建国記念日の休日。この朝に、大統領は週初恒例のラジオ演説で「経済危機」を強く打ち消したばかりだったからだ。

 そのタイトルは「再び危機がやって来たが、克服できる」。

 欧州の財政危機を機に、韓国でもウォンや株価が急落し、一部で「韓国は通貨危機に陥るのではないか」という見方が急浮上しているのに対して、全面反論した演説だった。

 李大統領は「今回の経済危機は2008年のグローバル金融危機に比べて解決が簡単ではなく、回復までに相当の時間がかかりそうだ」と認めたうえで、「韓国は前回の金融危機を世界で最も早く成功裏に克服した。我々の経済は今、国民が自信を持っていいほど堅固である」と語った。

 その根拠として、(1)国内総生産(GDP)に対する国家債務比率が33%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の98%を大幅に下回り財政が健全である、(2)外貨保有高が3年間で20%増加して3000億ドルを超えた、(3)短期外債比率も下がった、(4)経常収支黒字を維持している、(5)新興諸国への輸出依存度が2001年の51%から73%に急増した――などを列挙してまくし立てた。

 李大統領の「反論」は、韓国内の大半のエコノミストの主張でもある。大統領としては、こうした主張を機会あるごとに繰り返すことで、何としても「不安の拡散」を抑えたいという思いなのだろう。

 この演説のまさに翌日に、ギリシャの財政赤字縮小目標が難しいとの報道を機に前日の米国市場などで株価が下落、これを受けて韓国の金融市場でウォンと株価の急落が起きてしまったのだ。

 韓国経済は、企業活動のグローバル化も進んでいるが、金融市場でも欧米の金融機関や投資家が大きな「買い手」として、ここ数年の株高や不動産高騰を支えてきた。欧州の財政危機で、特に欧州の金融機関が「資金回収」に入ったことで、一気に局面が変わってしまった。

 韓国の総合株価指数は2010年末以降、2000ポイントを超える水準で推移し、2011年5月2日には2228ポイントの高値をつけた。それ以降も2000ポイントの大台を割り込むことはなかったが、8月5日に2000ポイント台を割り込むと一気に急落。9月26日には1652ポイントまで落ち込み、ピーク時からの下落率は26%に達した。

 その後株価は戻したが、10月4日には再び一時1600ポイント台に下落した。その後、1700ポイント台を何とか回復したものの、前週末比3.6%の急落となった。もちろん株安は韓国だけのことではないが、外部要因に影響されやすいことで不安感は高まっている。

 ウォンの対ドルレートも、8月1日には1ドル=1048ウォンだったが、9月末には1ドル=1200ウォン直前まで急落した。

ウォン安誘導から一転、信用不安説の払拭へ「ウォン安阻止」

 李明博政権は、2008年2月末の発足以来、基本的には「ウォン安政策」を取ってきた。輸出競争力こそが韓国経済の強さの源泉だという信念によるものだった。

 一時は、1ドル=1500ウォンという水準までウォン安が進んだが、2011年に入ってからはドル、ユーロ安もあって1ドル=1000ウォンに近い水準で推移していた。ただ、円に対しては引き続き1円=13~14円という「ウォン安水準」を維持してきた。

 ところが、わずか1カ月で対ドルレートで急速なウォン安が進み、さすがの李明博政権も慌てた。物価への悪影響というレベルではなく、「韓国経済への信用不安説」さえ出かねないと見たためだ。

 9月23日には、政府がドル売り介入に踏み切った。ウォン安誘導を続けていた現政権が「ウォン安阻止」に動いたのだ。

 韓国メディアは、政府が当面「1ドル=1200ウォン」を超えてウォン安にならないよう必要に応じて介入すると一斉に報じていた。ところが、10月4日の午前に一時1208ウォンにまでウォン安が進んでしまった。

 韓国は1990年代末のアジア通貨危機で、事実上の破綻に陥った。2008年のリーマン危機の際にも、株価とウォンが暴落した。

 今回も、韓国経済に対する警戒感は高まっている。

 9月30日、韓国政府発行の5年満期外債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)保証料率が2.19%に跳ね上がった。前月末から1%近く急騰した。CDS保証料率が1カ月で1%近く上昇したのは、2008年10月に2%近く上昇して以来だ。

 韓国メディアによると、韓国の有力金融機関が最近、上乗せ金利を求められて相次いで海外での資金調達を断念したという。

 「2008年の秋とは状況がまったく異なる。メディアは危機とあおりすぎだ」――韓国政府関係者はこう強調する。

 では何が違うというのか。

2008年当時との違い

 韓国政府が最も強調するのは、李大統領の演説にあったように、外貨準備高とその中身だ。

 2011年6月末現在の韓国の外貨準備高は3122億ドル。好調な輸出に支えられてドルを積み上げ、2007年末の2622億ドルに比べて500億ドルも増えている。

 「もっと大事なのはその中身だ」「危機は来ない」という韓国のエコノミストが指摘するのは、外貨準備高に占める短期外債の比率だ。

 2007年末の時点では、外貨準備高2622億ドルのうち、1602億ドルが短期外債だった。2008年9月から12月の間に700億ドルもの流出があって「危機説」が一気に広がったのはこの短期外債比率の高さだった。

 これに対して2011年6月末時点では、短期外債は1497億ドル。保有外貨の37%に下がっており、状況は異なるというのだ。

 韓国の多くのエコノミストは、金融機関の経営が2008年よりも健全であることに加えてこの「短期外債比率」を引き合いに出して、「万一、2008年のように700億ドルとかの規模で外貨が流出しても危機に陥ることなどない」という見方で見事に一致している。

 これに「財政の健全性」や「経常黒字維持」などが加わって、「韓国経済は大丈夫だ」という主張が連日メディアに掲載されている。

 「韓国経済は対外依存度が高く、海外で経済危機が発生するとその影響を大きく受けるのは宿命だ」。ある大学教授はこう話す。

 韓国の産業界の大勢はそれでも「油断はできないが、前回の危機よりは影響は大きくない」という考えだ。現代自動車グループは、2011年の超強気の経営計画を当面は変更しないという。この楽観論こそが、韓国経済のダイナミズムとも言えるが、もちろん、不安の種は多い。

 ウォン安や株安が進行しているほか、経常収支も黒字とはいえ、急減している。

 「ギリシャが債務不履行に陥るなど、事態が進行した場合、ウォンや株価は暴落し、楽観論などすぐに吹き飛ぶ」と見るエコノミストも一部はいる。

 今回はそれ以上に、国内経済に懸念材料が増えていることを指摘したい。

 一部不動産市況の悪化とアパート賃貸料(チョンセ)急騰による家計負債の急増と、一部金融機関の業績悪化と物価の急騰だ。

韓国経済が抱える時限爆弾

 韓国政府は、2011年9月18日、7つの貯蓄銀行を営業停止処分にした。2011年に入ってからこれで16もの貯蓄銀行が営業停止に追い込まれた。資産規模で業界上位5行のうち実に4つの貯蓄銀行が営業停止になった。

 いずれも不動産高騰を見込んで地方での大型開発案件に巨額の資金を融資してこれが焦げ付き、財務内容が一気に悪化してしまった。

 今回営業停止になった貯蓄銀行はほとんどが国際決済銀行(BIS)基準の自己資本比率が1%以下。多くの場合、マイナスに陥っていた。それだけでなく、不正融資なども次々と発覚し、経営者や大株主への刑事責任追及も本格化している。

 韓国政府が長年指摘されてきた貯蓄銀行問題にメスを入れたことは、「隠れていた時限爆弾」を処理するという意味では評価できるだろう。

 ただ、「家計負債の急増」というはるかに大きいと見られる時限爆弾処理はまだ手付かずだ。物価の急騰も続いている。

 こういう国内問題も、欧州財政危機に端を発したグローバル経済危機ともちろんつながった問題だ。

 巨額の資金流入で、韓国内のあちこちでミニ開発ブームが起き、貯蓄銀行が競って貸し込んだのはついこの間のことだ。

 李明博政権の初期の経済運営は明確だった。ウォン安に誘導して大企業の輸出を後押しすることが経済成長にプラスになるという確固たる信念があった。

 その結果、経済の両極化を招いたという強い批判を浴びたが、「ウォン安」は確固たる方針だった。

CEO大統領、いよいよ正念場

 だが、これからは大変だ。ウォンの水準を維持して信用不安を抑える措置が必要だ。ウォン安を食い止め、物価安定を重視して金利を引き上げるのか。あるいは、膨れ上がった家計債務が破裂しないように金利を凍結し続けるのか。

 1990年代末の韓国の通貨・経済危機は、大統領選を控えて金泳三(キム・ヨンサム)政権はレームダックに陥り、きちんとした措置を取れなかったことがその一因だった。韓国は2012年春に総選挙、12月に大統領選挙を控え、「政治の季節」を迎えつつある。

 政界は10月26日のソウル市長選挙で話題が持ちきりだ。一方で、大統領側近の不正事件が相次いで表面化してきた。

 経済通の「CEO大統領」として登場した李明博大統領は、2011年9月末に訪米した際、「どういうわけか大統領になって2回も経済危機に直面した。こういう時期に自分が大統領でよかった」と発言した。経済の舵取りに強い自信を見せているが、今まさに正念場を迎えつつある。

(JB Press   海外)
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