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2011-09-02(Fri)

米国経済:二番底という地割れはあるか

 8月23日に米国東海岸を地震が襲ってから数時間経っても、オフィスで働く人たちはまだ、不安な気持ちで余震に備えながら、ワシントンやニューヨークの街を歩き回っていた。経済に対しても今、同じような警戒がなされている。

 2007年から2009年にかけて米国経済を直撃した地震は、まだ余震を起こしている。最新の余震が最大の揺れになる可能性もある。7月下旬以降、米国および世界各地で株式市場が急落した。米国が景気後退に逆戻りするのではないか、そして欧州の債務危機が欧州の銀行の足を引っ張るのではないかと怯えてのことだ。

飛行機の「失速速度」のような低成長

 米国経済は確かに弱い。成長率は第1四半期が年率換算でわずか0.4%、第2四半期が1.3%だった。今後の改訂で、どちらの数字もマイナスに転じるかもしれない。そうなれば、景気は既に二番底に入ったことになる。

0img_52fe68dd54526c876d39fca81fe2bd3527051.jpg そうした景気の弱さは、リビアの民衆蜂起に続く石油価格の上昇や、サプライチェーンを寸断した日本の地震と津波に端を発するのかもしれない。

 だが、2つのショックが後退すると、経済活動は上向いた。シカゴ連銀がまとめた経済報告の指数は、7月に経済が成長したことを示している(図1参照)。もっとも、その後また弱まっているかもしれないが。

 エコノミストらはこれまで長く、この種の低成長は、それより遅くなると空から落ちる恐れがある飛行機の「失速速度」のようなものだと考えてきた。

 米連邦準備理事会(FRB)のジェレミー・ネイルウェイク氏の論文は、1978年以降、ある四半期の経済成長率が1%を下回った時は、半分か3分の2のケースで、その後すぐに景気後退が訪れたことを明らかにしている(結果は経済成長を国内総生産=GDP=で測るか国内総所得=GDI=で測るかによって変わる)。

 ネイルウェイク氏の論文は、それほど参考にならない。ゆっくりと飛行する飛行機は時には墜落するが、それよりは着陸する方が多い。景気後退に陥る成長の遅い経済は通常、押される形で景気後退に入る。何らかのショックによって、経済が以前から存在する不均衡にひっくり返されてしまうのだ。

 このような不均衡を今の米国に見つけるのは難しい。最も変動の激しいGDPの3つの構成要素である住宅、自動車、企業在庫は通常、景気後退をもたらす収縮を加速させる。だが、どれも特に過剰になっているようには見えない。

0img_50b52116473b6ace6630f6ff39971e5223277.jpg 実際は全く逆だ。住宅建設は一度も底離れしていないし、GDPに占める割合は現在わずか2.4%と、過去の平均の半分足らずだ(図2参照)。

 バージニア州北部の建設業者マイク・ゴーマン氏は、過去3年間で事業が大きく落ち込んだと言う。「40人いた従業員がパートタイム職員1人になった。我々は今、家を1軒か2軒建てているだけだ。本当に、本当に静かだ」

 自動車生産は回復しているが、通常GDPに占める割合をはるかに下回る水準まで回復したにすぎない。景気後退の間に急上昇した売上高に対する企業在庫の比率は、今は通常に戻っている。

 経済を景気後退に突き落とすショックは、金融市場で発生することが多い。株価は急落したが、融資を得るのは比較的容易だ。社債のスプレッドは正常で、短期金利は、インフレ調整後の実質ベースでは大幅なマイナスだ。

 FRBの最新の調査では、銀行が融資を増やしたいと思っていることが示されており、「景気後退直前の貸出状況とは正反対だ」とHSBCのケビン・ローガン氏は言う。

二番底は回避できるが・・・

 明らかな不均衡や金融の逼迫がないからと言って米国の景気後退のリスクがなくなるわけではないが、それは長期に及ぶ深刻な景気低迷を防止する方向に働く。実際、大半の人にとっては、軽度の景気後退と低成長とを区別するのは難しいかもしれない。

 コンサルティング会社マクロエコノミクス・アドバイザーズが、株価、実質短期金利、信用スプレッド、石油価格、利回り曲線――短期金利と長期金利の差――などからまとめた景気後退の指標は、FRBの政策によってその動きが歪められている利回り曲線を除いた場合でも、今後12カ月間に景気後退が起きる可能性が低いことを示している。

 同社のジョエル・プラッケン会長は、その予想に対して限られた自信しか持っていない。過去に景気後退を予測するために使われた史料は、新しいショックを財政政策や金融政策で相殺できない場合には、あまり役に立たないからだ。

 景気後退に逆戻りした1998年の日本の大幅な景気減速は、訓戒的な話だ。政府は増加する債務を抑制するために、1997年4月に消費税を引き上げた。

 そして2つの大きなショックがその財政引き締めに追い打ちをかけた。輸出に大打撃を与えたアジアの金融危機と大手金融機関数行の破綻だ。金利は既に0.5%だったため、金融政策はその衝撃を和らげることができなかった。

運と政策当局者の見識

 そのため、景気後退を回避できるかどうかは、運と政策当局者の見識に大きく依存する。FRBはすぐに金融政策を引き締めるつもりはない。実際、市場は、より多くの債券を購入するとか、保有する債券の構成を変えるといった方法で金融政策を緩和する可能性を示唆するベン・バーナンキ議長の合図を探している。もっとも、市場は拍子抜けする可能性が高いが。

 一方、財政政策については、いくつかの財政措置が期限切れを迎えるため、引き締められる可能性が高く、1月以降、GDPを2%程度押し下げることになりそうだ。

 バラク・オバマ大統領は来月の演説で、現在1兆5000億ドルの赤字削減策を見つけようとしている議会の特別委員会に対し、同時に短期的な財政刺激策も打ち出すよう訴える計画だ。共和党は受け入れようとはしない。共和党のエリック・カンター下院院内総務は最近、「とにかく自分たちにないカネで新たな景気刺激策を行うという議論」に強くくぎを刺した。

 8月2日の債務上限引き上げに先立つ瀬戸際作戦や米国債の格下げ、財政を巡る欧州の混乱はどれも、自己成就的な自信の崩壊を生み出す可能性のあるものだ。

 バージニア州のもう1人の建設業者スティーブ・アロイ氏は、米国がデフォルト(債務不履行)しかねないという話が顧客の多くを怖気づかせたことを思い出す。デフォルトが回避された翌日、5人の顧客が急いで家を買ったという。このような話は、議会の意識を集中させ、財政面でもっと理性的な成果をもたらすのに役立つかもしれない。

 カンター院内総務は、自身のバージニア州選挙区の有権者たちが、政治的な瀬戸際作戦が米国経済を大惨事の瀬戸際まで追い込んだと不満を訴えていたと話す。偶然にも、彼らは今回の地震の震源地に隣接した地域に暮らしていた。地殻変動を経験した彼らは、経済の地震など求めてはいない。

(JB Press   海外)
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