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2011-07-20(Wed)

「ソフトバンク栄えて、国滅ぶ」 「補助金ビジネス」に参入

菅首相「脱原発」で儲ける「政商」ソフトバンク太陽光よりおいしい風力発電にまでこっそり食指を延ばしていた

定款変更前に「補助金ビジネス」に参入

 電力参入を可能にする自社の定款変更の前に、こっそりと風力発電会社を掌中に収め、そのうえで菅直人首相に働きかけて風力発電会社の収入を保証する振興法案を成立させる。それによって、10~20年単位で「濡れ手に粟」の利益を我がものとする――。

 福島原発事故ですべての日本国民が憔悴する中で、そんな“離れ業”をやってのけようとする、抜け目ない会社が存在する。孫正義社長が率いるソフトバンクだ。今週は、国民の弱みや不安に、ちゃっかりつけこむ、その抜群の抜け目なさをご紹介しよう。




「ソフトバンクの出資が表沙汰にならないように」

 5月の連休明けのこと。資金繰り難に陥っていた業界中位の風力発電会社グリーンパワー・インべストメント(GPI、本社東京都港区、当時の資本金 9億1500万円、堀俊夫社長)は突然、大株主に名を連ねる各社を驚かせる通告を行い了承を求めた。

 ちなみに、GPIは2004年9月の設立。社長の堀俊夫氏は、総合商社トーメン(現豊田通商)の出身で、オランダに投資ファンドを設置し、欧州の風力発電事業に投資してきた。また、ここ数年は国内の風力発電事業に力を入れていた。しかし、近年は経営難に陥り、融資の返済期限を延長して貰い、大株主や取引先に支援を要請するような有り様だったという。

 そうした中で、GPIが降って湧いたような再建策を通知したのだから、大株主の各社が意外に感じたのは無理のないことだった。

 具体的な内容は、第3者割当増資によって約10億円を調達し、6月4日に返済期限が迫っていた米投資ファンド「Sage Capital  Global」への5億円あまりの借入金を返済するというものだったが、大株主各社は、内容よりも、増資の割当先企業名に驚いたと異口同音に語った。

 というのは、これまで電力事業には縁もゆかりもない、携帯電話事業者ソフトバンクが、その割当先だったからである。

 筆者の取材に対して、ある大株主は「当社がソフトバンクと協力関係を結ぶと世間に誤解されるのは迷惑なこと。今後は、増資も融資も含めて、GPIに対して一切の支援を行わないと通告した」と不満を隠さない。

 別の大株主は「GPIは第3者割当増資の実施をすぐ発表すると話していたのに、1カ月以上経っても、その発表がなく、不審に思っていたところだった」と内情を明かした。

 さらに、別の大株主は、「ソフトバンクの出資が表沙汰にならないように処理するとGPIから聞かされた。変なことをするもんだと感じていた」 と、さらに強い不信感を口にしたのである。

 経営危機会社の大株主にとって、新たな出資者と言えば、投資が紙くずにならなくて済むのだから、本来はそれなりに歓迎すべき存在だろう。それにもかかわらず、なぜ、ソフトバンクはここまで忌み嫌われたのだろうか。どうやら、増資によってソフトバンクがいきなり44%を持つ筆頭株主になることへの感情的な反発だけが、その理由ではなさそうだ。

 当のGPIを取材したところ、幸村展人取締役は、第3者割当増資でソフトバンクから10億円を調達したかとの問いに関して、動揺を隠せない様子で「そんな話もありましたが、ノーコメント」と口を閉ざしてしまった。

 一方のソフトバンクは、増資に応じた事実を認めたうえで、「投資の規模が小さ く、当社の開示基準に達しなかったので発表しなかった」(広報部)と話している。

 だが、こうした取材の中で、既存の大株主各社が経営支援や追加出資を渋る中、なぜ、縁も所縁もないソフトバンクが名乗りをあげたのか、その疑問を解く鍵を得られた。

 その鍵は、GPIがここ数年、新分野として手掛けてきた3つの風力発電プロジェクトにあった。いずれも国内で風力発電を営もうというものである。

 GPIのホームページをみると、同社の国内案件は、高知県大月町のケースしかないが、幸村取締役は、新たに島根、愛媛、青森の3県で風力発電プロジェクトを進めていることを明らかにしたのである。3つのプロジェクトは今後3年間で500億円の投資を必要とするという。

 そして、大株主の各社は、この3つの国内案件がGPIの経営をさらに窮地に追い込むと懸念し、追加支援を渋っていたらしい。というのは、国内の風力発電事業は、規制が厳しく、採算のとれないビジネスだったからである。大株主の各社は、GPIは今後も海外展開に専念すべきだとみていた。

 さらに言えば、あるGPIの既存の大株主は、「鳩山由紀夫前首相が2009年9月の国連気候変動首脳会合で、『温室効果ガスを1990年比25% 削減する』と一方的な国際公約をして以来、風力発電になんらかの政策支援が講じられることは予測していた。しかし、採算のとれない事業を、国民に重い負担を強いる政策支援によって振興しようとういう発想には、強い違和感を抱いていた」と明かす。公共の利益を勘案すれば、日本企業として妥当な判断と言えるだろう。

 ところが、孫正義社長が率いるソフトバンクは、こうした常識とは無縁だった。

太陽光よりおいしい風力発電

 6月7日付の本コラム「ソフトバンク孫社長が打ち出した『電田構想』は脱原発の福音か」でも紹介したが、東京電力の福島第1原発事故を受けて、 孫社長は、猛烈な政界工作を展開した。4月20日に行われた民主党の復興ビジョン検討チームの勉強会での講演などは、その一例である。

 また、産経新聞によると、5月14日の夜のことだが、孫社長は菅直人首相と都内で2時間45分にわたって会食し、脱原発の重要性を訴えた。首相の 浜岡原発停止の判断を「歴史的英断だ」と称賛し、「嵐のど真ん中で船長を代えられても困る。ぶれずにがんばってください」と首相の続投まで求めた という。会食を終えて、首相は「大変元気をいただいた。再生可能エネルギーについて懸命に取り組みたい」と語っている。

 実際、菅首相は、3つの法案の成立を自らの退陣の条件として挙げた。①赤字国債の発行を可能にする特例公債法案、②今年度の第2次補正予算法 案、③再生可能エネルギーを用いて発電した電気をすべて買い取ることを電力会社に義務付ける再生可能エネルギー特別措置法案――の3つである。

 再生可能エネルギー特別措置法案は先週14日午後の衆議院本会議で審議入りした。審議の行方について、一部の新聞は、「首相の退陣問題と複雑に絡み合い、先行きは予断を許さない」と報じているが、その一方で、孫社長らと共に同法案の成立を後押ししている「エネルギーシフト勉強会」には、超 党派の議員が200人以上も参加しており、成立は確実と見る向きも少なくない。孫社長の政治力は驚異的である。

 実は、孫社長がこれまで電力事業進出の柱として掲げていた「電田構想」(大規模太陽光発電事業)と、本稿が明らかにした風力発電参入には大きな違いがある。

 電田構想は、再生可能エネルギー特別措置法案に盛り込まれた政策支援だけでは採算が採れず、地方自治体に廉価で休耕田を提供して貰うことや、農地の利用規制の緩和、発電した電気の全量買い取り期間の延長、買い取り額の上乗せなどの追加支援が必要だとソフトバンク自身が主張している。それに対して、風力発電は「再生可能エネルギー特別措置法案さえ成立すれば、3つのプロジェクトの立ち上げが、法の施行が予想される来年4月に間に合う」(幸村GPI取締役)だけでなく、「今後10年単位で高い収益を保証されるビジネスになる」(外資系インベストメントバンク)からだ。

 早い話が、ソフトバンクにとって、電田構想よりGPIへの出資の方が遥かにおいしい話なのである。

 おいしい話を逃すまいと、ソフトバンクがGPIへの出資をかなり慌てた形跡もある。というのは、会社法は、その会社が営む業務(目的)を定款に 書き込むことを義務付けている。電電構想を打ち出したソフトバンクは今回、6月24日開催の定時株主総会で定款に「自然エネルギー等による発電事業およびその管理・ 運営ならびに電気の供給、販売等に関する業務」を加えた。

 しかし、GPIの増資を引き受けて事実上の風力発電参入の布石を打ったのは、その3週間前。大株主の各社がGPIから了承を求められた第3者割当増資の払い込み日は6月3日である。

 変更前のソフトバンクの定款には、会社の目的として40項目の事業をあげているが、当然のことながら、風力発電はもとより、発電事業や電気の販売供給などに相当するものは入っていない。

 とはいえ、この“離れ業”を直ちに会社法違反に問うことは難しいかもしれない。同法に詳しい弁護士によれば、「明らかに定款に記していない事業を手がけるのは違法です。しかし一般的に、定款上の会社の目的は、拡大解釈がし易いように幅広に書かれているケースが多いので、違法性を問うのは難しい」からである。

 ソフトバンクの場合、「コンピュータ、その周辺機器・関連機器およびそのソフトウェアの開発、設計、製造、販売ならびに輸出入業務」「電気通信事業法に基づく電気通信事業」「有価証券の投資および運用」「金融業」など40項目をあげ、さらに「付帯関連する一切の業務」と加えている。前述のように発電事業そのものは記されていないものの、拡大解釈ができる項目があると同社が主張することは容易に予想できる。

なぜ風力発電に触れなかったのか

 しかし、経営者のモラルや会社の品格の問題は、法律論とは一線を画すものだ。

 菅首相や200人を超す超党派の国会議員に働きかけて、我田引水の法律改正を求めることは、GPIの大株主に名を連ねるような企業(三菱商事、日本政策投資銀行、住友信託銀行、三井住友ファイナンス&リース、日本生命保険、ニッセイ・キャピタル、大和企業投資、SMBCベンチャーキャピタル)にとって、とても手が出せない商法だった。

 経済界からからは、税金で電力を買い上げる再生可能エネルギー特別措置法は、ただでさえ米国の2~5倍とされる日本の電力料金をさらに押し上げて、家計の圧迫や産業の空洞化を招くという批判が根強い。

 実際、現在、多くの企業が電力の供給不安やコスト上昇懸念から海外への工場移転の検討を始めており、雇用の減少という悪夢が現実味を増す一方となっている。

 ところが、ソフトバンクはなりふり構わぬ政界工作で、再生可能エネルギーの買い上げどころか、追加支援策まで政府に要求してきた。


「再生可能エネルギーが採算性があうのなら、民間でやればよい。なぜ政府に働きかけ、補助金を引っ張ろうとするのか」という「政商」批判に対しては、孫氏は国家、国民のためだと強弁し、Twitterなどでも情報発信をし、国民運動まで呼びかけてきた。

 しかし、その饒舌の裏側で、こっそり風力発電企業への投資にも手を出していたことについては一言も触れず、口を閉ざしてきたのは、いったいどういうことなのだろうか。

 ソフトバンクは政治家を動かし、国民を煽りながら、その一方で風力発電事業に約束された利益を掌中にしようと目論み、さらなる我田引水の追加支援要求によって、太陽光発電まで収益事業に育成しようという青写真を描いている。

 しかし、政策支援がないと採算がのらない事業で儲けるということは、とどのつまり、国民が支払う税金や高い電気料金で儲けるということに他ならない。我々は、こうした経営姿勢を見逃してよいのだろうか。今こそ、真剣に問いかけてみるべきだ。

ソフトバンク栄えて、国滅ぶ

 孫氏にとって、しょせん再生可能エネルギーはビジネスとして自己の利益を追求する手段に過ぎないのかもしれない。しかし、この我田引水を後押しする首相や国会議員の存在を、国民として是としてもよいのだろうか。

 脱原発の理想に向かって、実現するための道を模索することは大切だが、明らかに、菅首相や多くの国会議員はそのことと我田引水の政策の区別が付いていない。

 例えば、菅首相は13日夕方の記者会見で、「計画的、段階的に原発依存度を下げ、将来は原発がなくてもきちんとやっていける社会を実現していく。 これがこれから我が国が目指すべき方向だ」と脱原発を訴えた。

 そして、首相は同じ会見で、「再生可能エネルギーを促進するための法案も、予定通りいけば明日から、国会での審議をしていただけると聞いておりま す。こうした形で、原子力事故、さらには将来のエネルギーの新たな確保に向けての歩みも次第に進んでいるところであります」と強調。まるで再生可能エネルギー特別措置法が脱原発のために作られた法案であるかのように説明した。

 しかし、再生可能エネルギー特別措置法は、脱原発という理想の実現のために作られた法律ではない。それどころか、福島原発事故など予想もできな かった昨年7月に政府が決めた「エネルギー基本計画」に基づいて、原発依存度を現行の29%から2030年に53%に引き上げることを前提に設計された法案なのだ。

 それゆえ、今となっては虚飾に満ちているが、原発依存度の引き上げによって全体としてのエネルギーコストが下がることを織り込んで、脇役の再生可能エネルギーの比率を大盤振る舞いで現行の8%から2030年に20%に引き上げようという建て付けになっているのである。

 首相や孫社長が後押しするエネルギーシフト勉強会加盟の200人を超す国会議員がそんな法案を押し通せば、「ソフトバンク栄えて、国滅ぶ」という事態さえ、笑い話と言えなくなるだろう。

 日本人の暮らしと日本経済の存亡を左右する岐路に、我々は立っているのかもしれない。

(現代ビジネス  ニュースの深層)
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