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2011-06-25(Sat)

世界経済のメルトダウン? 景気回復の一時的な停滞で済まない恐れ

政治家は不用意にも、世界的な景気回復の一時停滞を、もっとひどい事態へ発展させてしまう恐れがある。

 世界の主要金融センターは夏を間近に控えているが、市場のムードは明るさからはほど遠い。暗い経済ニュースを受けて株価は何週間も下落し続けている。製造業の生産高は世界中で減速している。消費者は慎重な態度を強めている。

 米国では、住宅価格から雇用拡大に至るまで、ほぼすべての統計指標が悪化した。6月半ばには一息つける場面があったが、これも米国の小売売上高と中国の工業生産が懸念されていたほどひどくはなかった、という理由にすぎない。

 世界の経済成長は、2年近く前に景気が回復に転じて以来、最も鈍化している。この景気の停滞は単に一時的なものなのか、それとも世界の景気回復はメルトダウンし始めているのだろうか?

大いなる減速

 景気を停滞させている原因を一つひとつ見ていくと、この状態は一時的なものと考えられる。第1の原因は、日本の津波被害だ。これが日本の国内総生産(GDP)を大きく低下させ、またサプライチェーンを混乱させて、特に4月の世界の工業生産高を急激に落ち込ませた。

 しかし、そうした落ち込みが経済指標に表れる一方で、もっと先を見越した兆候は回復を示している。例えば、米国の自動車メーカー各社の今夏の生産計画は、年率換算のGDP成長率が最低1ポイントアップすることを示している。

 第2の原因は、年初からの原油価格の急激な上昇で需要が落ち込んだことだ。このため、カネに困った石油輸入国の消費者から、資産をため込む傾向が強い産油国への所得移転が進んだ。燃料価格の高騰は、特にガソリン消費の多い米国で消費マインドを冷え込ませている。また、アラブ世界がさらに不安定化し、原油価格が再び高騰する可能性も残っている。

 とはいえ、少なくとも今のところ、その圧力は弱まっている。米国のガソリン平均価格は、まだ年初比で21%も高いものの、基調としては下落し始めている。これは消費意欲を刺激し、支出を促すはずだ。

 第3の原因は、新興国の多くがインフレ高進を受けて金融政策を引き締めたことだ。2011年5月の中国の消費者物価指数(CPI)の上昇率は、前年同月比5.5%に拡大した。インドの卸売物価指数は同9.1%と大幅に上昇している。景気の減速は、各国の中央銀行が対策を講じ、その施策が功を奏し始めているという望ましいサインでもある。

 その引き締め政策が行き過ぎているという証拠は見られない。引き締め政策の衝撃で経済が縮小しかねないという懸念が最も大きく指摘される中国においてさえ、そのような徴候はない。

 世界的な景気鈍化が懸念されるあまり、引き締め政策が早計に中断されるリスクの方が大きい。世界の金融環境が著しい緩和状態にある中で新興国が引き締めの方針を崩すと、インフレがさらに加速し、最終的に恐慌を招く可能性が一気に高まる。

先進国経済の危うさ

 成長の停滞は、新興国にとっては必要なものかもしれないが、先進国にとっては現在最も避けたい事態だ。バランスシート不況の後の景気回復が大抵そうであるように、先進国の景気回復は弱くて脆い。

 現在の景気の停滞が特に危険なのは、ちょうど時を同じくして、財政・金融両面での景気刺激策が打ち切られようとしており、また、米国、欧州双方で危険な政治の瀬戸際政策が勃発しているからだ。

 景気刺激策からのシフトはかなり進んでいる。2010年、やはり今のような景気低迷の中で、米連邦準備理事会(FRB)は、紙幣を発行して国債を購入する量的緩和第2弾(QE2)による景気刺激策を約束した。

 しかし、現在の量的緩和は今月終了する運びになっており、FRBは追加緩和はしないとの立場を明確にしている。

 一方、欧州中央銀行(ECB)は2011年7月に再び政策金利を引き上げる予定だ。欧州全土で予算圧縮の動きが激しさを増しており、米国でさえ、景気刺激策が緊縮政策に道を譲る可能性がある。

 これらの政策決定には、正しいものもある。米国のインフレ基調はもう厄介なほど低くはなく、低下もしていないため、FRBが差し当たり追加緩和を避けるのは理にかなっている。また、財政面でも米国はこれ以上の刺激策がなくても何とかやっていけるだろう。

 しかし間違った判断もある。ユーロ圏では賃金インフレの証拠は乏しく、周縁国の景気が著しく低迷している。そのような中でECBは利上げすべきではない。米国では、大きな危険は、中期的な財政赤字を巡る政党間の対立のせいで、現在米国にとって望ましくない、短期的な歳出削減が実施されてしまうことだ。

ポーカーゲームに興じる政治家

 米国の債務上限引き上げを巡る論争は、慎重な経済学的検討によるものではなく、イデオロギーや瀬戸際政策に基づいて進められている。民主党は真剣な歳出改革を考えようとしないし、共和党は増税に断固反対している。ティーパーティー系の多くの人は、歳出削減で妥協するくらいなら米国政府をデフォルト(債務不履行)させた方がましだと思っている。

 その結果は危険な手詰まりであり、米国が思い切った短期的歳出削減を強いられ、テクニカルなデフォルトにまで追い込まれる危険性が増大している。

 ユーロ圏でも同じような力学が働いている。こちらでは、ギリシャの債務危機の対応策を巡り、ギリシャ国債の償還期限の延長を求めるドイツと、いかなる債務再編も拒否しているECBとの対立が行き詰まり、大きな問題となっている。

 6月23~24日に開催されるサミットで、欧州首脳がお互いのメンツを保つ妥協策を見いだすという望みは残されている。しかし、この対立が長期化するほど、事故に至るリスクが高まる。つまり、ギリシャがデフォルトしてユーロ圏から脱退し、大混乱に陥るという事態だ。

 この危険な瀬戸際政策は、不確実性を生み出すことで悪影響をもたらす恐れもある。現在、企業は経済成長の先行き不安から巨額の内部保留をため込んでいる。世界経済が切実に成長を必要としている今、その成長をもたらす設備投資と雇用増を企業に手控えさせる理由を、政治が与えてしまっているのだ。

 政治家たちの頑なな態度が大惨事を招く危険性が現実味を帯びている。米国が厳しい緊縮財政に転じる、あるいはユーロ圏経済が破綻するといった破滅的な事態に至る可能性は、高くはないかもしれないが、無視できるほど小さくもない。

 経済論理から言えば、世界経済は一時的な難局に直面しているにすぎない。しかし、つまらない小競り合いを演じる政治家のせいで、事態があっさりとメルトダウンする可能性もあるのだ。

(JB Press   海外)
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