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2011-06-17(Fri)

青山繁晴 ニュースの見方 6月15日放送  「アジアに戦争の危機」 中国VSベトナム対立激化

      

N=中西一清氏/A=青山繁晴氏

N「今日はなんでしょう。」

A「はい。中西さん,ちょっと刺激的な言い方になってしまうんですが,私たちのアジアに戦争の危機が迫っているというのは,承知されていると思います。」

N「戦争の危機…」

A「はい,これ実はその,まさしくこのコーナー"ニュースの見方"って言いますけれども,ちょこっとだけ新聞の外電面などに日本では出てくる話ですが,世界はいま本当に息をのむ形で見つめていて,それは中国とベトナムの戦争です。」

 「ご承知のとおり中国とベトナムっていうのは,北から南のベトナムに,中国がハッキリ申せば侵略を繰り返してきた歴史があって,何千年間も対立の歴史があるんですけれども,1979年には中越戦争という戦争が実際にありました。」

 「ベトナムというのはすごい国で,まずベトナムを支配していたフランスを第二次世界大戦後にたたき出して,つまりフランスに勝って,その後フランスの代わりに入ってきた米国と戦って,1965年から75年までの10年間のベトナム戦争でついに米国に勝ったと…」

 「国家として米国に勝ったのは世界史の中でベトナムだけです。

 で,フランス,米国をそうやってたたき出したベトナムに今度は79年に中国がやってきたんですが,ベトナム戦争時代にベトナムを支援した,つまり同じ社会主義同士で支援した中国がベトナムに侵略を図ったので世界は驚いたわけですけど,それにもベトナムは勝ったわけですね。

 今,何が起きているかというと,ちょっと地図がないのがもちろん残念なんですけど,中国の南部に海南島という島があって,その海南島からまっすぐ南にどんどんどんどん南シナ海に降りていくと,そうすると西沙諸島,英語でいうとParacel,それからさらに南には南沙諸島,英語でいうとspratly。
 こういう島々があって,誰が見ても中国から遠くてむしろベトナムやフィリピンに近いわけですけれども,あるいはマレーシアに近いわけですけれども,これ全部中国のものだと主張しているんですね」

N「そうですよね,ええ」

A「こういう小島がもちろん欲しいわけではなくて,その島々の下にある資源を中国が独占しようとしていて,中国の目的は,たとえば人民解放軍とか,共産党の今の幹部が何か儲けたい,私腹を肥やしたい,あるいは菅さんみたいに政権にとどまりたいという話ではなくて,中国は中国なりに,この海底資源をどうやって確保するかが子々孫々の代,これから100年,200年先,民族と国家を左右すると,いわば覚悟を固めてやっているわけですね。
 これに対してこれまで小競り合いが続いてきたんですが,世界がビックリしたのはベトナム海軍が事実上史上初めて実弾演習を展開したんです。
 ベトナム海軍というのは,さっき言いましたが,ベトナムは非常に戦争に強い国で,陸上の戦闘においてはおそらく僕は世界最強だと思いますね。
 ところが海軍というのは非常にちっぽけな海軍力であって,僕はかつてベトナムの海軍の将軍に海上保安庁の…日本のですね,それを海軍と勘違いされて驚いたことがあったんですよ。
 日本の海上保安庁の戦力でもベトナムが見たら大海軍に見えるわけですね。
 実際に中国とベトナム海軍比較したら,中国は950くらいの観戦をもっていて,ベトナム海軍って全部寄せ集めても130隻くらいしかいない。」

N「そんなにさがあるんですか」

A「まあ観戦の数だけで単純比較はしてはいけないけれども,まあ,そうですね,たとえば,大きな象とウサギくらいの違いがあると考えた方が良いですね。」

N「中国はそれでなくとも海軍力を増強してますものね。」

A「おっしゃるとおりで,空母もまもなくせり出してくるわけですけれども,このもしもベトナム海軍が中国海軍と似たような力だったら,逆に実弾演習やっても世界はそう震撼しない,つまり震え上がらないんですね。
 どうしてかっていうと似たもの同士が力見せ合うというのは案外,抑止力になってすぐに戦争に繋がらない。
 ところがちっぽけな小さな小さなベトナム海軍が実弾を使って中国をわざわざ刺激してみせるというのは,これは世界が見ているのは,ベトナムの後ろに大きな力が実は控えている。
 これは,もう分かるでしょうが,アメリカ軍ですね。」

N「共同演習するって話もあるみたいですね。」

A「おっしゃるとおりで来月,共同演習,海軍の共同演習をすることが史上初めてやるってことが決まったんですけれど,10年間ベトナムと戦った米国が今度はベトナムの味方をする。
 ベトナム戦争ってアメリカ人にとっては決して過去のことではなくて,戦友をベトナムで殺されたアメリカ人から見たらですね,残された世代がまだ50,60代ですから,アメリカ人の中にはベトナムを恨んでいる人がまだまだ多いんです。
 米国に行くとそれがよく分かるんですが,それでもなお米国はいまベトナムを支援して,中国と向かい合おうとしててですね,これはメンツの問題とかではなくて資源の争いですから,お互いこの島々で,西沙諸島,南沙諸島のあたりで資源の採掘を実際これからやるんですね。
 いま既に実はベトナムの資源探査船が付けた海底ケーブルを中国がハッキリとそれを切断したりですね,あるいは中国側が射撃を行ってベトナムの漁船が被害を受けたり,実はまあ小さな戦争は始まっていると言っていいわけですね。
 このことというのは,実は日本に非常に深いかかわりがあって,中西さん,米国が突然ですね…一部の議会人という建前になっていますけれども,普天間について急に態度を変えてきて,同じ沖縄にある嘉手納の戦闘機部隊をグアムに下げるから,普天間はもう実現できない辺野古ではなくて,この嘉手納と一緒にしてくれないかと提案していますね。
 菅政権は大慌てで,てか民主党政権は大慌てで,そんな米国が態度を変えて貰っちゃ困ると言っているわけですが,これは実は米国がグアムに下げるというのは,今まで沖縄から朝鮮半島を見ていたのを,グアムに下げることによってこの南シナ海全体ににらみをきかせたいと言うことなんです。
 さらに7月に中西さんがおっしゃったとおり,ベトナム海軍と演習するというのは,横須賀から原子力空母ジョージ・ワシントンはじめとして第七艦隊が出て行くと言うことなんですね。
 だから既に日本に深い関係がある上に,実は中国サイドから見たら,尖閣諸島をこれからどうするかについての試金石だと思っているわけです。
 すなわち,私たちの沖縄県の尖閣諸島に,実は台風シーズンになれば,天候が荒れたという名目の下,大漁船団を尖閣諸島に上陸させるプランが実は中国には敢えて申しますが,あります!」

N「第二次・第三次の尖閣紛争の勃発の可能性大と言うことですね。」

A「そのテストケースとして今,南シナ海でベトナム米国連合と中国のにらみ合いがはじまっているわけです。
 先ほどのコーナーで,日本の政治の話を中西さんされていましたけれども,東日本大震災の復興もちろん福島原子力災害を含めて僕にとっても重大な課題なんですけれども,それと同時に国を統治するというのはそういうときにこそ広い目をもって,いわば日本にとって外交的なピンチが始まっているわけですが
,それをチャンスに変えるというのが統治すると言うことであって,
 実は今の民主党政権は残念ながら,野党を含めてですね,日本の政治は統治能力を失っている。
 その統治能力を回復して外交にも向き合わなければならないと言うことだと思います。」
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