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2011-06-14(Tue)

無策がもたらす「電気料金高」、「円高」市場は菅政権と東電の存続にNOを突きつけている トヨタが日本から逃げ出すのは当たり前

 菅政権がグダグダしている。辞めるといったかと思うと、続投ともいう。菅総理を昔から知るある人が教えてくれたが、市民運動家からスタートした彼の政治人生はいつも瀬戸際だったので、今の状況も彼から見れば普通なので辞めないと。

 それならと閣外ばかりか、異常なことに閣内からも「菅降ろし」が出てきた。仙谷官房副長官の口からは「菅総理の辞任は今月中」という期限まで漏れた。

 ポスト菅候補としては、枝野幸男官房長官(47)、小沢鋭仁前環境相(57)、鹿野道彦農水相(69)、仙谷由人官房副長官(65)、樽床伸二元国対委員長(51)、野田佳彦財務相(54)、前原誠司前外務相(49)、馬淵澄夫総理補佐官(50)などなど、名前が挙がっている人だけでこれだけいる。

 しかし、もし菅総理が辞めたとして、それで一体何が変わるのか。今の閣内にいる人が新しい総理になっても、政策の中身は何も変わらない。閣外の人は何が変わるのかを明確にしなければいけない。

電力値上げと円高を呼ぶ賠償スキーム

  今の優先案件は復興と原発事故だ。そのために緊急を要する政治課題は、復興基本法、賠償スキーム法、第2次補正予算の成立だ。このうち、復興基本法は6月10日(金)に衆議院本会議で可決されている。参議院に送られ、早ければ今週中にも成立する見込みだ。

 残る賠償スキーム法と第2次補正予算が成立するとなにがもたらされるのか。あらかじめいっておくと、電力不足、電力料金の値上げと円高である。

 まず、賠償スキーム法は、14日(火)にも閣議決定されるようだ。1ヵ月前の5月13日(金)に閣議決定できずに、関係閣僚会議決定という腰の引けた案が出てきた。法案化までに随分と時間がかかった。その間、政府関係者の中で異なる意見が飛び出し、政府の混乱が明らかになった。

 1ヵ月前には東電を温存し、東電の株式や債権は保護され、その分、国民負担が増える内容だった。しかも、東電を温存するので、発送電分離、電力参入などの電力自由化措置は将来の課題とされ、当面は電力料金の値上げが前提となっていた。

 しかし、マーケットはその内容に、Noを突きつけている。東電の信用リスクを見るものとしてクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドがある。年間何%の保険料を払えば、東電の倒産リスクから逃れられるかというものだ。その推移を見ながら、市場の見方を紹介しよう。

市場が東電は倒産するとみている証拠

 東電は超優良企業なので、倒産(デフォルト)するはずないと考えられていた。東日本大震災の前では、一貫してCDSスプレッドは0.4%程度だ。ところが、大震災後から、東電に巨額の賠償が求められるから倒産の確率が高まるという見方から急上昇し、3月下旬には4%程度になった。

 しかし、4月下旬頃から政府は東電を救済するという話がリークされると、一転して急落し2%程度になった。これが再び反転し、急上昇しだしたのは、5月13日(金)に賠償スキームが公表されてからだ。政府内でも枝野幸男官房長官から債権カットも要請するという話がでるなどし、その実現は無理と思われたからだ。ついに6月7日(火)には10%を超えた。

    0img_1d4f16ca56c99bc6cb53343cbdf457e337746.jpg

 倒産からの保険料が10%とは、10年以内にほぼ確実に倒産するという市場が見ていることを意味する。東電の賠償スキームは長期間に渡り東電を温存しながら(株式などを保護!)、公的資金を投入したり、電力料金を値上げして、賠償していくものだ。しかし、マーケットはそれは実現不可能とみている。もうとっくに、菅政権の賠償スキームは見捨てられているのだ。

 菅政権の賠償スキームに代わり、既存の制度を使う法的整理と被災者への賠償や一時立て替えを行う機関の創設との組み合わせが考えられる。東電を法的整理しても電力事業に支障は出ない。しかし、法的整理では被災者の利益が必ずしも確保されるとは限らないし、また当面の生活支援の一時金を立て替え払えする必要がある。そのための機関が必要なのである。

 もし東電を法的整理して解体すれば、送発電分離や電力参入が早期に可能になる。これは電力の安定供給、電力料金の引き下げの方向となる。

官僚と歩調を合わせ「増税」を訴える朝日新聞社説

 次のポイントとなる第2次補正予算は、菅政権では先送りする方針であったため、事務作業すらはじまっていない。復興構想会議を見てからと、復興構想会議そのものが先送りの口実にされてきた。

 11日(土)、その復興構想会議の第1次提言の骨子(原案)がでたが、予想通り酷かった。つけくわえるなら前日10日(金)の朝日新聞社説「増税で被災地支えよう」も酷い。あたかも復興構想会議のために援護射撃のようで、それらが連動していることを連想させてくれた。こうした時には、会議を裏で仕切る官僚とマスコミはタッグを組むのだ。

 復興構想会議の第1次提言は、とりあえず「つなぎ国債」を発行するが、その返済財源は増税という。要するに復興財源は増税なのだ。

このコラムで何度もいってきたが、大震災の支出は一時的支出なので、税ではなく国債発行で長期返済するのが財政論のイロハ(平準化理論、クッション理論)だ。

 長期に社会的な便益が及ぶものばかりなので、本来は建設国債が基本になる。そうであれば、政治課題になっている特例法も気にすることなく、復興財源が確保できる。

 第1次提言は「復興財源は今を生きている世代で確保」というが、それでは被災地も被災地以外も沈んでしまう。

 相変わらず、国債を日本銀行に引き受けさせたくないようだが、本コラムでいってきたように(例えば5月30日 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/6614 )、18兆円の日銀引受では通貨の膨張もなく、マーケットの信認を失うはずない。具体的な数字の議論ができずに、日銀引受が禁じ手という観念論しかできない。その上、国債整理基金などを合わせて33兆円の財源確保できるのに、増税するとは信じがたい話だ。

 こうしたつなぎ国債で増税すると、マンデル=フレミング効果によって、円高になる。これも本コラムで予想したことであるが、残念ながら当たってきている(3月28日 http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2330 )。

 さらに、最近はアメリカ経済の動向も円高傾向を後押しする。昨年10月から米FRB(連邦準備制度)ではQE2(量的緩和第二弾)が行われている。しかし、景気回復はしているものの、そのペースは遅い。そこで、QE3になるわけではないが、6月までとされていたQE2を少し長期化する可能性がでてきた。そのため、米FRBのバランスシートの規模は減少せずに継続する見込みだ。

政府と日銀の無策で円高は進行

 一方、日銀は大震災以後、バランスシートを拡大したが、その後は縮小に転じている。復興債の日銀引受もないとなると、今年度末にかけて、日銀のバランスシートは18兆円も減少する。

    0img_3f37ec01cbff0bbc06a15e245f8027a325931.jpg

 これらの事情は、これからドルと円の総量について、円のほうがドルより相対的に少なくなることを意味している。これは、相対的に少ない円の価値が高くなる、つまり円高になることを示唆している。

 こちらのほうは、政府と日銀の無策に乗じて、円高が進行していくかもしれない。この政策への対抗は、増税によらない復興財源と日銀の金融緩和だ。

 いずれにしても、菅政権の政策の目指しているモノは、冒頭述べたように、電力不足、電力料金の値上げと円高である。これは大震災後の人災である。

 最近、トヨタが、国内生産は限界を超えたと発言して話題になっている。その理由として円高に加えて電力不足をあげている。菅政権の足下の政策がまさしくトヨタの懸念である。

 これでは、優良な企業が海外に逃げていくのは当たり前だ。復興の過程でも、企業を元の場所ではなく、海外移転を検討していることも多いという。いずれも、菅政権がまともな経済政策を打ち出していないためだ。

 菅政権の後継が、もし政権内から出るのであれば、経済政策の無策は継承される。一難去ってまた一難だ。菅政権の無策が改められるのであれば、菅降ろしもムダではない。

(現代ビジネス  ニュースの深層)
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