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2011-02-11(Fri)

日本で強まる危機意識

 民主党が政権の座に就いた当初のユーフォリア(多幸感)が消えた現在、日本人は、エジプトでの政変を眺めながら、日本の民主主義の道筋が再び回り道をたどっている状況に思いをめぐらせているかもしれない。2009年8月の総選挙に勝利して以降、民主党の蹉跌(さてつ)が続いている。政治資金規正問題で党代表が辞任し、民主党政権初代首相の鳩山由紀夫氏も就任わずか1年で退陣した。同党への国民の支持は消えた。

 50年以上に及ぶ自民党支配に終止符を打つため、自分たちを導いてくれる新政党を選出しようとする日本国民の意思が民主党に勝利をもたらした。これで日本でも真の二大政党政治が始まるとの期待が強まった。つまり、政党は日本の有権者の願望に対し、より責任を持つことが求められるようになるという期待だ。

 まだ1年半しか経っていないものの、菅直人首相のつまづきは続いている。最近ではスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による日本国債格下げ報道を知らなかったことを認めてしまった。12月に実施された内閣支持率は21%しかなく、この最近の失策もプラスにはならないだろう。

 2007年以来、日本の指導者にとって問題の一端は、原理・原則を持った野党がなかったことだ。その年に民主党が参院で過半数を制した後、同党は自民党の政策を妨害し、予算の問題や改革・再編などの進展を遅らせることだけに腐心してきた。2010年7月の参院選で自民党が勝利した後、自民党も民主党と同じことをする構えを見せている。予算をめぐる来月の戦いで、自民党がかつての民主党のように議事進行妨害者になることを決めたかどうか分かるだろう。しかし、ほぼデフレ状態にあり、公的債務の対国内総生産(GDP)比が200%に近づいている日本には、壊滅的ともいうべき景気悪化に陥ることを回避するための大胆な改革が求められている。

 日本の政治システムの3度目の混乱は、今も続いている小沢一郎民主党元代表にまつわる物語だ。小沢氏は長い間、政治資金規正法違反の疑惑が持たれていたが、先ごろ遂に強制起訴された。菅首相は民主党支持率低下に歯止めを掛けるという名目で、小沢氏を離党させよう躍起になっている。しかし、小沢氏は、自らが党に勧誘した新人議員らの間で非常に高い人気を保っている。

 菅首相の地位が一段と弱体化すれば、小沢氏の存在は首相にとって依然として脅威になりうる。昨年の民主党代表選で敗れた小沢氏は、多くの日本人の間で評判が悪い。強制起訴されたものの、法を逃れる能力があるとみられていることは、多くの日本人の目には、公正な法の支配という理想に照らせば汚点に映る。

 上述したこれら複数の要因の結果、日本国民の間では根深いシニシズムが生まれている。日本の選挙制度は圧倒的に地方有権者が有利になっており、その結果、日本の農業部門は競争から厚く保護され、非常に非効率でもある。最近の選挙制度に関する判決でも、違憲の判断が示されているが、今のところ改革に向けた実質的な動きは出ていない。主要2政党はいずれも、歳出削減と持続可能な経済成長に関する政策策定で手詰まり状態にある。 日本は関心と無関心が相半ばしながら、中国が日本を抜いて世界第2位の経済大国になったのを見た。

 日本で大衆蜂起が起きそうだとは考えてはならない。そのような行動は先進国ではほとんどない。大学の授業料引き上げに抗議して英国ではデモが行われ、ギリシャでは公共支出削減を巡るより深刻なデモも起きたが、日本でこのようデモは学生運動が激化した1968年以来起きていない。日本は1970年代、景気後退や物価高などに直面し、90年以降、ほぼ一世代、景気が低迷し、企業の終身雇用はなくなり、人口も着実に高齢化した。

 しかし、日本人は転換点に近づいていることを感じ取っている。このフレーズはもちろん使い古されている。しかし、筆者が1週間、日本の政治家、経済人、学者、一般市民らと話して分かったことは、現在日本社会には強い不安感が渦巻いていることだ。なるほど、多くの人たちは観念して、一部の学者がいうところの「ミドル・パワー」の地位を受け入れているようだ。しかし、指導的な役割を持つ者の大半は、日本はこれまでと同じ道筋をたどれば、重大なリスクに直面すると認識している。

 特に企業幹部は政治的混迷が続き、人口減少や内向きの若者が増える危険性を理解している。現在の流れを変えるため何かする必要性は、筆者が話したほとんどの人が認識している。ただ、日本の本能的な保守主義によって事態が最悪な状態になることが食い止められている。

 これが日本社会を全体的に安定させており、短期的にはよいことであるかもしれない。しかし長期的には、この種の運命論と保守主義は、問題を解決するという民主主義の能力への大衆の信頼を損なう結果に終わってしまう可能性がある。この国の障害が、日本特有の民主主義形態の特性であるかもしれないとしてもだ。このような政治的麻痺により、日本は過去に政治・社会制度の大幅な変化を経験した。このことは全員が警戒すべきだ。

 日本には余裕があり、街頭に出て体制変革を求めるデモを行う必要はない。しかし、さらにもう一世代、景気低迷が続き、日本固有の民主主義が続けば、カイロでの騒乱よりも対立的ではないにしても、試練に立たされることになる。

(マイケル・オースリン氏はアメリカン・エンタープライズ研究所の日本部長)

(ウォール・ストリート・ジャーナル  政治から)
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