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2011-02-05(Sat)

菅とオバマの“似て非なる”経済政策の中身

 しばしば菅政権の経済政策はオバマ米大統領と似ているという声が聞こえる。日米ともに「民主党政権」であるからだとも言われる。

 先進国であれば、資本主義で経済政策運営は似ていて当然だ。しかし、その実態や中身は全く違う。菅直人首相の「増税すれば景気が良くなる」、枝野幸男官房長官の「金利を上げれば景気が良くなる」、与謝野馨経済財政担当相の「名目成長率を上げるのは悪魔」とかいう妄言は、米国に限らず先進国ではあり得ない。

 両国とも成長戦略をとっているという。日本では民主党政権ははじめ成長戦略がないと批判されて、官僚に作ってもらった。その結果、官僚の利権を増やす戦略ではあるが、国民のためにならないものばかりが並んでいる。

 しかも、ここ20年間で名目成長がほぼゼロの日本と5%近い米国では目線が違う。日本の名目成長目標3%でも先進国の最低ランクだが、本音はせいぜい1・5%と話にならないほど低い。

 また、法人税の引き下げでも両国は似ているが、その財源措置は異なる。日本では、当初は租税特別措置の撤廃とされていたが、特定業界の反対によって、結局のところ高額所得者や相続対象拡大など所得税増税でまかなっている。

 一方、オバマ政権は、昨年12月、富裕層向け減税という「ブッシュ減税」の2年間延長に合意している。また、今年1月の大統領一般教書では、財政再建は控除縮小や税制の抜け穴封じによるとされており、安易な増税には走っていない。

 これらは実は些細な論点だ。日米で最も大きな差は金融政策である。菅首相は、雇用重視というが、そのために必要なことは適切な経済政策、特に金融政策である。

 失業はGDPギャップ(需要と供給の差)があると発生する。ところが、GDPギャップは一般物価と裏腹の関係があることから、失業率は一般物価と逆相関がある。これがフィリップス曲線として知られている。このため、物価の安定は失業率の低下とも言えるので、米国では雇用の安定は中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)の仕事として法律にも明記されている。

 ところが、日本では首相が雇用重視というわりには、誰の責任で政策を行うのかが明確でない。結局、首相の口だけで、日銀が責任をもって失業率を下げ雇用を安定させるという制度・体制になっていない。

 米国は、FRBが金融緩和しドル安に持っていき、国全体を挙げて輸出主導の成長戦略をとっている。一方、日本は、日銀が明後日の方向を向いて金融政策が後手にまわり円高で自国窮乏化になっている。

(zakzak  政治・社会から)
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