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2012-01-20(Fri)

タミフル、インフルエンザ治療効果に疑問

 医学研究の信頼性を検証する国際研究グループ「コクラン共同計画」(本部・英国)は17日、インフルエンザ治療薬タミフルが重症化を防ぐ効果を疑問視する報告書を発表した。

 タミフルは世界で広く使われ、特に日本は世界の約7割を消費している。各国が将来の新型インフルエンザの大流行を防ぐため備蓄を進めており、その有効性を巡り議論を呼びそうだ。

 報告書は、製薬会社に有利な結果に偏る傾向がある学術論文ではなく、日米欧の規制当局が公開した臨床試験結果など1万6000ページの資料を分析。

 タミフルの使用で、インフルエンザの症状が21時間ほど早く収まる効果は確認されたものの、合併症や入院を防ぐというデータは見つからなかった。

 報告書は「当初の症状を軽減する以外、タミフルの効果は依然として不明確」と結論、「副作用も過小報告されている可能性がある」と指摘した。

(YOMIURI ONLINE  科学)
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2011-02-19(Sat)

虫歯の病原因子である酵素の立体構造を世界で初めて解明 ~虫歯の予防物質を探索するための手がかりを得る~

 岩田想 医学研究科教授、小林拓也 同講師、島村達郎 同客員研究員、伊藤圭祐 静岡県立大学助教、伊藤創平 同助教らは、世界で初めて、虫歯の病原因子として同定されている酵素である「グルカンスクラーゼ(GSase)」の立体構造をX線結晶構造解析によって明らかとすることに成功し、この酵素による多糖の合成メカニズムを明らかにしました。

 口腔中に存在する菌に由来する酵素GSaseは、砂糖から歯垢(プラーク)の基となる粘着性多糖であるグルカンを合成することから、虫歯発症の原因として知られています。これまで、GSaseの働きを阻害することが虫歯予防に効果的と考えられていましたが、GSaseと類似の酵素が口腔中や小腸等にも存在することから、GSaseの働きだけを特異的に阻害する物質でないと、類似の酵素の働きも阻害してしまい、低血糖等の弊害を引き起こす可能性があります。そこで、阻害物質のリスクを低くするために、GSaseの働きだけを特異的に阻害する物質の設計が求められており、GSaseの立体構造の解明が有効な手段として望まれていました。

 本研究グループは、これまで困難であったGSaseの発現システムを構築、界面活性剤を利用した結晶化により高分解能の解析データを得ることに成功し、GSaseの立体構造を解明しました。また、GSaseの阻害剤やアクセプター基質との結合構造も解明し、分子レベルでGSaseの働きを明らかにしました。今後、虫歯の病原因子であるGSaseの立体構造情報をもとに、より選択性が高く、強くGSaseに結合する阻害物質の探索・設計が可能となり、より効果的な虫歯の予防物質の探索に役立つことが期待されます。

 本研究は、阿部啓子 東京大学教授、科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業ERATO型研究「岩田ヒト膜受容体構造プロジェクト」との共同研究として行われました。

 本研究成果は、米国の科学誌「Journal of Molecular Biology」のオンライン速報版で近日中に公開されます。

(論文名)
"Crystal Structure of Glucansucrase from the Dental Caries Pathogen Streptococcus mutans"
(う蝕病原菌由来グルカンスクラーゼの結晶構造)
Ito K., Ito S., Shimamura T., Weyand S., Kawarasaki Y., Misaka T., Abe K., Kobayashi T., Cameron A.D., Iwata S. (2011) J. Mol. Biol.

研究の背景と経緯



 虫歯(う蝕)は全世界人口の7割、日本人の9割が患っている最も身近な生活習慣病であり、砂糖の摂取が原因となって発症します。虫歯の進行に伴い、痛みや歯を失うだけにとどまらず、長期間の放置によって敗血症を引き起こして死亡する例も報告されています。また、虫歯発症の原因となる歯垢(プラーク)は口臭や歯周病、誤嚥性肺炎の原因ともなります。このように、虫歯の発症リスクの低減は生活の質(QOL)の向上のみならず予防医学的観点からも重要です。

 これまで、虫歯の病原因子として、口腔中のストレプトコッカス・ミュータンス菌に由来する酵素であるグルカンスクラーゼ(GSase)が同定されています。口腔中に砂糖があると、まずGSaseにより粘着性多糖であるグルカンが合成されます。さらに、グルカンは食べカスや他の口腔細菌を巻き込んで歯垢を形成し、内部で口腔細菌が増殖します。 歯垢内部で口腔細菌により酸が産生されることで歯が脱灰して、虫歯が進行します(図1)。そのため、GSaseの働きを阻害することで、虫歯の発症リスクを効果的に低減することが可能です。これまで、各種食品素材等からGSase阻害物質が探索され、緑茶カテキン等のポリフェノール類に強い阻害効果があることが報告されています。しかし、より選択性が高く、強い効果を持つ阻害物質の探索・設計にはGSaseの分子基盤を明らかにする必要がありました。

 本研究では、虫歯の予防(GSase阻害)物質の探索・設計への分子基盤情報を得ることを目的に、GSaseの立体構造解明を試みました。

研究の内容



 今回研究グループは、ストレプトコッカス・ミュータンス菌のゲノムからGSaseをコードする遺伝子を取得し、発現領域および発現条件の最適化により、これまで困難であった均質なGSaseの大量調製に成功しました。そして、膜タンパク質の結晶化で効果をあげている界面活性剤の技術により結晶化を行い、X線結晶構造解析によってGSaseの立体構造を解明しました。また、GSaseの多糖グルカン合成メカニズムを分子レベルで解明するために、阻害剤であるアカルボース、アクセプター基質である麦芽糖との結合構造についても解析に成功しました。

 GSaseの全体構造は、既知のアミラーゼに類似したTIMバレル構造を取っていましたが(図2-a)、既知アミラーゼと比較してアミノ酸配列の順列に置換が起きており(図2-b)、さらに触媒部位に被さるように二つのαヘリックスが存在していました。また、GSaseの触媒部位において、サブサイト-1の立体構造は既知アミラーゼと類似していましたが、サブサイト+1, +2, +3の構造は大きく異なっていました(図3-a)。このことは、GSaseに特異的な阻害剤の設計に重要な知見です。またGSaseのアクセプター基質である麦芽糖は、GSaseのN末端から517番目のトリプトファン残基と430番目のチロシン残基に挟まれて結合しており、これらのアミノ酸残基がアクセプター基質の結合に重要であること、さらに、アクセプター基質の結合配向には593番目のアスパラギン酸残基が重要であることも明らかとなりました(図3-b)。

今後の展開



 近年、創薬分野ではタンパク質の立体構造を基にした創薬戦略(Structure-Based Drug Design)が進められています。本研究により明らかとされた虫歯の病原因子の立体構造情報を利用することで、より特異性の高く効果の強い虫歯の予防(GSase阻害)物質の探索・設計が可能になり、歯周病と並んで歯科の二大疾患であり、最も身近な生活習慣病でもある虫歯の予防への貢献が期待されます。また、緑茶カテキンに代表される既知のGSase阻害物質についても、阻害効果の科学的根拠が明らかになると期待されます。

参考図



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図1. 虫歯の発症メカニズム
a) 口腔中にストレプトコッカス・ミュータンス菌が存在する状態で砂糖を摂取する。b) ストレプトコッカス・ミュータンス菌が産生するGSaseにより砂糖から粘着性多糖であるグルカンが合成される。c) グルカンに食べカスや他の口腔細菌が巻き込まれ、歯垢が形成され、口腔細菌により酸が産生されることで歯が脱灰し、虫歯が進行する。


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図2. GSaseの全体構造
a) GSaseと既知のアミラーゼ(BLA: Bacillus licheniformis α-amylase)の構造比較。Domain A, B, Cの構造は全体的に類似していたが、GSaseには既知のアミラーゼにはない2つのαヘリックス(α4'とα4'')とDomain IVが存在した。Domain Vは本研究では明らかとしていない。b) アミノ酸配列とDomain構造の比較。GSaseでは、既知のアミラーゼと比較して、アミノ酸配列の順列に置換が起きていた。


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図3. 阻害剤、アクセプター基質との結合構造
a) GSaseの阻害剤であるアカルボースとの結合構造。サブサイト-1のアミノ酸残基は既知のアミラーゼと類似していた。一方、サブサイト+1, +2, +3のアミノ酸残基は大きく異なっていた。b) アクセプター基質である麦芽糖との結合構造。麦芽糖はN末端から517番目のトリプトファン残基と430番目のチロシン残基に挟まれて結合しており、さらに、アクセプター基質の結合配向には593番目のアスパラギン酸残基が重要であった。


用語解説



X線結晶構造解析
解析対象のタンパク質を結晶化し、X線照射によって得られる回折データから、結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定する手法。

アクセプター基質
GSaseは砂糖をもとに、歯垢の原因となる粘着性多糖であるグルカンを合成します。その際、まずGSaseに一つめの砂糖分子(ドナー基質)が結合し、続いて次の糖(アクセプター基質:砂糖等)が結合し、ドナー基質に作用することで反応が進行します。

TIMバレル構造
αヘリックスとβストランドが交互に出現するタンパク質構造の一つ。酵素の構造において頻繁にみられる。

αヘリックス
タンパク質中にみられる二次構造で、アミノ酸の鎖(ポリペプチド)がらせん状の構造。βストランドも二次構造の一つであり、平面状の構造。

サブサイト
GSaseによる糖の加水分解部位を基点に、還元末端側の糖ユニットを認識する酵素領域を順にサブサイト+1, +2 ...、非還元末端側の糖ユニットを認識する領域を順にサブサイト-1, -2 ...と呼びます。

(京都大学  研究から)
2011-01-20(Thu)

細胞生死の制御技術を開発=がん治療などに応用期待-京大

 特定のたんぱく質をリボ核酸(RNA)に結合させることで、細胞の生死を制御する技術を京都大の井上丹教授らの研究グループが開発し、18日付の英オンライン版科学雑誌「Nature Communications」に掲載した。特定細胞のみを死滅させることができる点を利用し、副作用のないがん治療などへの応用が期待される。

 グループは、RNAに遺伝子の発現を抑制する「RNA干渉」という働きがあることに着目。ある特定たんぱく質をRNAに結合させると、干渉が抑えられることを突き止め、別のたんぱく質の合成を活性化させる「オンスイッチ」という技術を開発した。

 また、同じ特定たんぱく質が、細胞内のたんぱく質合成小器官リボソームの機能を阻害することを解明。この特定たんぱく質を細胞に加えることで、別のたんぱく質の生成を抑える「オフスイッチ」という技術も昨年開発した。

 二つのスイッチを、細胞死をつかさどるたんぱく質に対して作用させることで、特定たんぱく質を持つ細胞の生死を任意に制御することができるようになった。

 この技術を利用すれば、正常な細胞には影響を及ぼさずに、薬をがん細胞や特定の臓器だけに効かせることも可能だといい、副作用のない薬の製造に応用できるという。また、特定の細胞だけを効率よく選択して培養する技術に応用することにより、再生医療分野での貢献も期待できるという。

(時事ドットコム  社会から)
2011-01-11(Tue)

今冬は「A香港型」が流行 純国産吸入型治療薬も登場

 A香港型を中心にインフルエンザ流行の兆しが出ている。治療は抗ウイルス薬のタミフルとリレンザに加え、昨年1月点滴薬が、さらに10月には初の純国産吸入型治療薬が保険承認された。1回の吸入治療でよく、従来の朝夕2回服用に比べて患者の利便性が高い。4種とも細胞内で増殖したウイルスが外に出るのを阻害する作用で、発症から48時間以内の投与が不可欠だ。

 昨シーズン、世界的に流行した新型インフルエンザ(H1N1)の日本の患者数は約2000万人と推計されている。この冬は、季節性のA香港型を中心に感染者数が徐々に増えている。感染拡大予防としてワクチン接種がはじまっており、A香港株、Aカリフォルニア株(新型)、Bブリスベン株の3種のワクチンが接種されている。インフルエンザは通常の風邪と違い、症状が急激に悪化する特徴があり、呼吸器だけでなく消化器にも激しい症状が出ることが多い。

 治療薬は経口薬のタミフルと吸入薬リレンザがあり、発症から48時間以内に服用することで症状を抑制するが、昨年、新たに点滴薬のペラミビル(商品名:ラピアクタ)と吸入薬のラニナミビル(商品名:イナビル)が保険承認された。イナビルは開発も含め、初の純国産となるインフルエンザ治療薬だ。治療薬は経口薬のタミフルと吸入薬リレンザがあり、発症から48時間以内に服用することで症状を抑制するが、昨年、新たに点滴薬のペラミビル(商品名:ラピアクタ)と吸入薬のラニナミビル(商品名:イナビル)が保険承認された。イナビルは開発も含め、初の純国産となるインフルエンザ治療薬だ。
 
 杏林大学医学部総合診療学の林潤一教授に話を聞いた。
 
「4種類の治療薬は、すべてノイラミニダーゼ阻害薬といって、感染した細胞内で増殖したウイルスが外に出るのを阻害する作用機序(薬物が生体に作用を現わす仕組み)があります。作用は同じですが、構造式が異なるため、4種類になったことで治療の選択肢が広がりました」

(NEWSポストセブン  国内から)
2011-01-10(Mon)

性感染症、のどからも感染の恐れ 厚労省研究班

 淋病(りんびょう)やクラミジアなどの性感染症は、性器だけでなく、のども温床になっていることが、厚生労働省研究班などの調査でわかった。自覚症状がないまま、オーラルセックス(口を使った性行為)で広がる危険がある。性感染症は不妊症にもつながりかねず、研究班はのどへの感染の広がりを本格的に調べ始めた。

 研究班のメンバーで東京女子医大の余田敬子准教授らは、2005~09年、同大の東医療センター耳鼻咽喉(いんこう)科(東京都荒川区)と、川崎市の性感染症専門のクリニックで調査した。男性335人と女性519人の淋菌やクラミジアへの感染を調べた。患者は、風俗店の従業員や利用者が多かったという。

 淋菌は、のどだけに見つかった女性は54人で、性器だけに感染していた20人より多かった。このほか20人が両方に感染していた。男性は、性器だけが75人、のどだけが19人、両方が33人だった。

 クラミジアは、女性でのどが21人で、性器が103人、両方感染している人が32人いた。男性はのどが6人、性器が81人、両方が3人だった。

 クラミジアと淋菌は性感染症で1、2番目に多い。女性は子宮頸(けい)管炎や尿道炎、男性は前立腺や精巣上体の炎症を起こすことがあり、不妊の原因や、HIV(エイズウイルス)などの病気にもかかりやすくなる。

 のどに感染しても多くは痛みなどの自覚症状がなく、見た目では医師でも判断がつかないこともある。夫婦の10組に1組は不妊に悩んでいるとも言われ、研究班は性感染症をできるだけ早く見つける必要があると指摘する。

 研究班は昨年11月から東医療センターや、千葉、静岡、滋賀県の耳鼻咽喉科3カ所に来た人に無料で検査を始めた。1月中に700人のデータを集める予定だ。余田さんは「性感染症の拡大を食い止めるために、のどの検査が必要なのか明らかにしたい」と話している。

(asahi.com  サイエンスから)
2011-01-10(Mon)

子ども臓器提供、CTで虐待判別…病院に助言

 15歳未満の子どもからの脳死臓器提供を国内で定着させるため、放射線科医らでつくる一般財団法人「Ai(死亡時画像診断)情報センター」(東京)は、病院から照会された子どもの虐待の有無について、CT(コンピューター断層撮影法)などの画像を診断して、判定を助言する支援事業を今年から始める。


 昨年7月に全面施行された改正臓器移植法によって、15歳未満からの脳死臓器提供ができるようになったが、同法は虐待を受けた子どもからは臓器提供されないよう規定している。しかし、虐待の判別は簡単ではなく、現状では脳死提供は困難と感じている医師が多い。これまで提供された例もない。

 虐待の有無の特定方法でほぼ確立しているものに解剖があるが、解剖できない場合、患者の死亡後にCTやMRI(磁気共鳴画像)などで特定する「Ai」が近年使われ始めた。支援事業は病院からインターネットを介し、CTやMRI画像を受信。経験を積んだ小児専門の放射線科医らが、小児独特の骨折、外見では分かりにくい硬膜下血腫など虐待に特徴的な症状がないかどうか判定する。

(YOMIURI ONLINE  科学から)
2010-12-22(Wed)

第4のがん治療 樹上細胞ワクチン療法 テラが治療法を開発

      

日本人のおよそ3人に1人が「がん」で亡くなっています。その治療法には標準治療と呼­ばれている3つの手段があります。外科手術、放射線治療、そして抗がん剤治療です。そ­して今、これら3つ以外の新たな選択肢として期待されているものがあります。その治療­法の可能性を取材しました。

( tella )
2010-12-21(Tue)

白血病などを発症する「HTLV-1」 総合対策

      

主に母乳から母子感染し、大人になって白血病などを発症する「HTLV-1」と呼ばれ­るウイルスの感染予防策を話し合う政府の特命チームは、妊婦を対象にした全国一律の抗­体検査を公費負担で実施するとともに、治療に関する研究に来年度10億円を計上すると­した、総合対策をまとめました。

「HTLVー1」は全国で推定100万人以上が感染しているとされ、毎年およそ100­0人が白血病で死亡していますが、発症を抑える方法は見つかっておらず、政府の特命チ­ームで対策を検討してきました。

まとまった総合対策によりますと、▽妊婦を対象にした­全国一律の抗体検査を妊婦健診の項目に追加し、公費負担で実施するとともに、▽国や医­療機関、患者団体などが連携して対策を進めるための協議会を設置する、さらに、▽来年­度、原因究明や治療に関する研究に従来の5倍の10億円を計上するとしています。

会合­で、菅総理大臣は「政治の意志があれば問題を前進させられる。いろいろな病気で苦しん­でいる人たちへの対策のモデルにするとともに、対策をしっかり実行してほしい」と述べ­ました。これについて、患者団体代表の菅付加代子さんは報告会で、「今回の対策が問題­解決への突破口になるのではないか。これをモデルケースに、ほかの難病患者も救ってほ­しい」と述べました。
2010-12-16(Thu)

HIV感染の独男性、幹細胞移植で「完治」の研究報告

(CNN) HIV(エイズウイルス)に感染したドイツ人男性に対する幹細胞移植治療が成功し、完治したとみられるとの研究結果を、独シャリテー大学病院の医師らが発表した。ただしこの方法には大きな危険が伴うため、現実的な治療法として採用される可能性は低いとされる。

血液学専門誌の最新号に発表された研究によると、この男性はHIV感染とともに急性骨髄性白血病の診断も受けていた。放射線や化学療法で本人の免疫機能を完全に停止させうえで、2007年2月に幹細胞移植を行い、この時点で抗HIV薬の投与は中止した。

08年3月に白血病が再発したため、同様の手順で幹細胞移植が繰り返された。抗HIV薬を中止して3年半が経過した今年夏の時点で、白血病もHIV感染も再発の兆候はみられず、免疫機能も正常に働いていた。医師らは「HIV感染は完治した」と結論付けている。

このケースで治療が可能だったのは、幹細胞の提供者が、HIV感染への耐性を示す変異遺伝子を持っていたためだ。これは白人の1%にみられ、黒人には例のないまれな遺伝子とされる。

専門家らによれば、事前に免疫機能を停止させる処置には非常に大きな危険が伴ううえ、幹細胞移植自体やその後の拒絶反応で死亡したり苦しんだりする恐れがある。また、この治療には数十万ドルに上る巨額の費用がかかる。

エイズ研究の進歩に伴い、HIV感染と診断されても、適切な治療を受ければ通常の寿命を全うすることが十分可能な時代となった。危険を冒して移植治療を適用するのは白血病などを併発した患者に限られるというのが、専門家らの見解だ。その場合も、患者と適合する提供者を見つけるのは難しく、さらにその提供者がHIV耐性を持つ確率は非常に低い。報告された男性の例は、ごく幸運なケースだったと考えられる。

(CNN  ワールドから)
2010-12-10(Fri)

虫歯と歯周病菌99・99%死滅…東北大新手法

 虫歯や歯周病などの原因菌をほぼ死滅させられる新たな殺菌法を、東北大大学院歯学研究科の菅野太郎助教らのチームが開発した。

 治療機器の開発も進められ、画期的な治療法が数年以内に実用化できるとの期待が高まっている。論文は米国の代表的な薬学雑誌12月号に掲載された。

 菅野助教らは、虫歯菌や歯周病菌など4種類の口腔(こうくう)内細菌と過酸化水素の水溶液に、目に見える波長のレーザー光を照射。強い殺菌作用のある物質「活性酸素」の一種を発生させ、3分以内に99・99%以上の菌を死滅させたという。人体への影響はないとみられ、治療が難しい歯周病の奥深い病巣を殺菌することなどへの応用が期待される。

 研究チームは、精密機械製造「リコー光学」(岩手県)などと、過酸化水素水とレーザー光を同時に出す歯周病用の治療機器の開発を進めている。今年度中には動物実験を終え、2011年度以降に臨床研究に入る予定だ。

(YOMIURI ONLINE  科学から)
2010-11-05(Fri)

膨張剤のアルミ、幼児ご用心 ホットケーキ1枚で基準超

 ホットケーキやパウンドケーキを週に1個食べるだけで、幼児ではアルミニウムの取りすぎになってしまう場合があることが東京都健康安全研究センターの調べでわかった。アルミを含む膨らし粉(ベーキングパウダー)が原因らしい。神経系などに影響を与える可能性があり、摂取量を減らす対策が必要としている。

 同センターの植松洋子食品添加物研究科長らは、市販されているホットケーキミックス粉6種、クッキー、ドーナツなどの焼き菓子57種など107の製品を検査。ミックス粉3種、焼き菓子27種からアルミを検出した。これらの製品は、膨張剤やベーキングパウダー使用と表示があった。

 ミックス粉では1グラムあたり最大0.53ミリグラム、焼き菓子ではパウンドケーキやスコーンで最大0.37ミリグラムだった。この場合、ホットケーキ1枚(粉で約50グラム)にアルミ約27ミリグラム、パウンドケーキ一切れ(約50グラム)で同約19ミリグラム含まれる計算になる。

 世界保健機関(WHO)などが定める1週間の暫定耐容摂取量(PTWI)は、体重1キロ当たり1ミリグラム。体重16キロの幼児では16ミリグラムになり、ホットケーキ1枚で1.7倍になる。

 ただし似たような製品でも含有量に大きな差があり、検出されないものもあった。使っている膨張剤の成分の違いによるらしい。

 アルミの人間への影響はまだわかっていない。動物実験では生殖器や発達中の神経に変化が現れるなどの影響が出ている。

 WHOなどは2006年に、これまでの想定より少ない量で影響が生じるかもしれないという調査結果に基づき、PTWIを7ミリグラムから現行の1ミリグラムに引き下げている。

 アルミは食品衛生法で食品添加物として認められている。国内では、水道水で1リットル中0.2ミリグラム以下とする基準があるが、食品にはない。食品安全委員会が今年3月から、審議するためのデータ集めをしている。

 膨張剤の成分や、アルミ含有量の表示は義務づけられていない。しかし最近は「アルミフリー(不使用)」と明記した膨張剤やミックス粉も販売されており、通販や自然食品を扱う店などで買える。

 健康安全研究センターは「表示の見直しが、摂取量を減らすには有効」としている。

(asahi.com  ニュース>社会>その他・話題から)
2010-10-26(Tue)

多型膠芽腫(GBM)の患者の寿命を延長させるワクチンを開発

vactine_2.jpgアメリカのデューク大学のープレストン・ロバート・ティッシュ脳腫瘍センタの研究チームは、臨床段階にある新型ワクチンが、脳腫瘍のなかでも最も悪性度の高い多形性膠芽腫(GBM)の患者の寿命を大幅に伸ばす可能性があるとの研究結果を「ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー」に発表しました。

ワクチンは、多形性膠芽腫を悪化させる「EGFRvIII」と呼ばれる遺伝子をターゲットにしたもので、同研究チームが18人の患者に対してワクチンの接種を行ったところ、平均生存期間は26か月と、予想の15か月を大幅に上回る結果となりました。

また、18人の無進行生存期間は14.2か月と、ワクチン接種を行わなかった17人のグループの6.3か月の2倍以上となりました。さらに、ワクチンを接種したグループの約半数で免疫反応が活性化され、1人をのぞくすべての患者で腫瘍マーカーを持ったがん細胞がなくなったとの結果も出ています。

実験のデータはワクチン接種を行うことにより余命が大幅に延長されたことを示唆していますが、研究グループは「サンプル数が少なすぎるため、確信を持って結論することはできない」と、さらなる研究の必要性を説いています。

(医療・医学ニュース  ニュースから)
2010-10-24(Sun)

◆白血病ウイルス検査 妊婦検診で感染が分かった場合の対処法は。◆

◇断乳で母子感染防ぐ 授乳できず悩む人も、患者会「自分責めないで」

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 成人T細胞白血病(ATL)や脊髄(せきずい)症(HAM)を発症する白血病ウイルス(HTLV-1)。政府は主な感染経路である母乳による母子感染を断ち切るため妊婦健診で感染の有無を調べる抗体検査の公費負担を決めた。準備のできた自治体から年度内に無料検査が始まるが、もし感染がわかった場合、授乳方法などはどうすればよいのだろうか。

 「命の宣告をされたみたいだった」。東京都大田区の会社員、畑由美子さん(38)は感染の可能性を初めて知ったときのことを振り返った。

 畑さんは08年、第2子の侑希ちゃん(1歳4カ月)を妊娠した。白血病ウイルスの検査を受けていないことが分かり、病院で1次検査を受けたところ陽性と判明。初めて聞くウイルスの名前に畑さんはうろたえ、「子供は産めるの?」と不安でいっぱいになったという。

 帰宅後、インターネットで患者会「NPO法人・日本からHTLVウイルスをなくす会」(鹿児島市)を探し当て、代表の菅付加代子さん(53)に相談。赤ちゃんへの感染防止には母乳の制限が効果的だと分かった。1カ月後に2次検査の結果がわかり、感染が確定した。出産前に何度も夫婦で話し合い、断乳を決めた。

 生まれた赤ちゃんに感染したかどうかはいつわかるのだろうか。赤ちゃんは母親のおなかの中にいる時には、胎盤を通して母親の抗体をもらっているため、赤ちゃんから検出されたウイルスが、母親のものなのか本人のものなのか、出生直後には分からない。

 侑希ちゃんは1歳児健診で陰性と判明した。畑さんは「感染していないことが分かった時は涙が出るほどうれしかった。全国にも私のように悩んだママがたくさんいるはず。国はこの状況をわかってほしい」と訴えている。

   ◇

 厚生労働省の研究班がまとめた報告書では、早く知りたい場合には、1歳過ぎの抗体検査から分かるとしているが、特に母乳で育てた場合にはデータが不十分でその後の感染もあり得るとして、いずれにしても3歳での再検査を勧めている。

 長崎県では87年から全妊婦に対し、検査を実施している。同県の調査では、授乳期間によって感染率が大幅に下がることが分かっている。6カ月以上の授乳では20・5%▽6カ月未満は8・3%▽断乳は2・4%。同様に感染予防に取り組む鹿児島県の調査では、3カ月未満の短期授乳だと断乳とほぼ変わらない効果があるという報告もある。また、厚生労働省の研究班によると、症例数は少ないものの、母乳を24時間冷凍すれば感染予防は可能という研究結果もある。長崎大医学部産婦人科の増崎英明教授は「できるだけ断乳を勧めている」と話す。

 一方、断乳を選択しても、母親が母乳をやれないことに罪の意識を抱くことも多い。「なくす会」には感染を知った母親から毎月のように相談が寄せられる。ある女性は電話で「母乳をあげられなかったことがつらかった。誰にも言えなかった」と泣き、菅付さんが「あなたは立派なことをしたんだよ」と声を掛けると、ほっとした様子だったという。

   ◇

 先月官邸に発足した特命チームは19日の会合で、補正予算で年度内に各都道府県の医師や保健師の代表者を対象に、東京と大阪で感染が判明した妊婦への説明方法などの研修会を開催することを決めた。また全国の医師にはマニュアルを、検査を受ける全妊婦には説明文書を配布する方針だ。【斎藤広子、高橋咲子】


◇HTLV-1

         HTLV120cartoon_jpg.jpg

 母乳や精液を通して白血球に感染し、ATLやHAMの原因になるウイルス。厚生労働省の研究班によると、母から子への感染が全体の6割以上を占め、全国の感染者は推計108万人。過去の感染者は九州・沖縄に集中していたが、最近は首都圏など、全国に拡大しているという。ATLは50歳を超えて発症する場合が多く、生涯発症率は5%。HAMは30~50代の発症が多く、1年間で感染者3万人に1人の割合で発症すると言われる。

(毎日jp  ライフスタイル>健康から)
2010-08-02(Mon)

【知りたくもない!?カラダの不思議】蚊に刺された場所でかゆみが違う?

 本格的な蚊のシーズン到来だ。ところで、不思議なのは、刺される場所によって、かゆみの感じ方が違うということ。特に、いちばん嫌なのは、足や手の「指先」を刺されたときの耐えがたい痛がゆさ。これってなぜなのか。あまり脂肪がついていない部位だから?  ムヒでおなじみ、かゆみを科学する池田模範堂・研究室に聞いた。

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 「指先は神経が集中しているところなので、蚊に刺されると他の部位に比べて刺激を感じやすいと言われています。近年では『痛み』と『かゆみ』の神経が別々であることがわかってきましたが、同時に互いに影響を及ぼしやすいということもわかってきたんですよ」

 通常は、痛みのほうがかゆみよりも強く、神経も伝わりやすい性質があることから、痛みでかゆみを遮るという意味で「かゆい場所に爪でバツをつける」などという習慣ができたのではないかと言われているらしい。

 ところで、なぜわざわざおいしくもなさそうな「指先」を指すのか。

 「手の指先は代謝も激しいところで、他の部位より汗もかきやすく、細胞自身の代謝も活発だと思われます。蚊は二酸化炭素を察知して寄ってくる性質があるので、細胞の代謝で発生する二酸化炭素をかぎつけ、寄ってきやすくなるのでは?」

 一方、ある皮膚科医はこんな指摘をする。

 「皮膚の薄い場所ほどかゆく感じるということも考えられます。また、かゆみの免疫によって違うという説もあるんですよ」

 というと、指先はこれまで蚊にあまり刺されていない部位だということ?

 「その可能性も考えられますね。これまで刺されてきた回数が多い場所ほど、免疫ができるので、かゆみなどの反応が出にくく、あまり刺されていない部位を刺されると、かゆく感じるとも言われています」

 いずれにしろ、二酸化炭素のニオイを嗅ぎつけて寄ってくる蚊。足や手をよく洗い、予防もお忘れなく。

(zakzak  健康>元気から)

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